UXデザインのプロが2ヶ月でつくったインディーゲームを遊んでみた!

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つくりたいものがつくれる時代、クリエイティブの“未来”とゲーム

──2023年には、ファミコンが発売40周年を迎えました。今では、当時子どもだった世代が父や母になったりしていますよね。今回の企画は大人から子どもまで、それぞれの感覚で楽しめると思いましたが、どんな風に楽しんでほしいですか?


藤井賢二 僕の中には、今回の展示に関して「ゲームを自分でつくれる時代になってきたよ」みたいな裏メッセージがあって。


僕は今、40代後半なんですけど。自分たちの世代では、ゲームは提供されるものというか、金を払って遊ぶものっていうのが当たり前だったと思うんです。


でも、多分これからは、自分でもつくりたければゲームをつくれるようになっていく。


さっきも話に出ましたが、今回のゲームはほとんど2ヶ月で制作しました。僕らはプロではないけど、使える素材をうまく使ったり、AIを使ったりと、工夫してゲームをつくることができた

「想像力次第、考え方次第でつくりたいものがつくれるよ」っていうのを伝えたいですね。


もう一つ考えていたのは、どんなものでも何かしらの意味があるんだよってこと。アホみたいに連打するだけのゲームでも、その中で「時間の大切さを感じる」こともある。

仲が良さそうなチーム。他のメンバーとも、楽しく、わいわいゲームをつくったそう。

川郁子 私も同じような感じですね。今回の展覧会に関しては、それぞれのゲームに「人生の大切なこと」がテーマとして設定されています。

プレイする人には「このゲームの伝えている大切なことは何かな?」って、クイズみたいに考えながら遊んでほしい。これを機に、自分がこれまでにやってきたゲームの意味についても、改めて考えてみて欲しいです。

「自分が『人生の大切なこと』をテーマにゲームをつくるとしたら、どうなるかな?」ってお父さんとかお母さんと一緒に話したりしてもらえたら、一番嬉しいですね。


──みなさんのお子さんも今回のゲームを体験されたんですか?


川郁子 うちの子は、『GOLD RUSH』っていうシューティングゲームを気に入ってました。


まだ5歳なんで「難しい、難しい」って言ってましたが、どんどん武器が出てきたり、撃ったりというのが、感覚として面白いみたいですね。

ゲームをプレイする川さんのお子さん、すばるくん。

川郁子 学びを得てくれたかはまだちょっとわからないけど(笑)。


もうちょっと小学校のお兄ちゃんお姉ちゃんぐらいになってくると、考えなきゃいけないゲームもできるようになったりするかなって思うんですけどね。


内山堅 うちの子はもう中学生なので、「パターン覚えたら結構楽勝だね」って吐き捨てて帰って行きました(笑)。


でも、それとは別に、今日専門家のインタビューを熱心に読んでたんです。藤井さんの裏テーマじゃないですけど、今回の展示会は専門家の方の視点やゲームデザインの観点について伝えるものでもあります。子どもたちにはやっぱり、そういうことに興味を持ってほしい。

企画段階から、こんな人たちが表現やデザインを設計してゲームができていくんだよ、理詰めでできてるんだよっていうことに対して、学びを持ってほしいなって。小中高生は本当にいいターゲットだなと思います。

「人生の大切なことをゲームから学ぶ展」について、今後は場所を変えた展開や海外進出の話もあるという。

今回の企画を皮切りに、展示内容はまだまだブラッシュアップされていきそうな気配だ。

まずは、記念すべき初回、熱い大人たちのゲーム展を、大人も子どもも、ぜひ体感しに来て欲しい。

クリエイターたちの推しゲーム

藤井賢二さんの推し『GOLD RUSH』

【藤井賢二さん推薦コメント】

展示ゲームのうち、『MONSTER REVENGE』(通称:さるかに合戦。蟹の復讐劇)と『GOLD RUSH』(西部劇風シューティングゲーム)、『地獄連打』は僕が設計しました。

その中でも一番のお気に入りが『GOLD RUSH』です。

ザ・ゲームという感じで、玉を打つ時の音のフィードバックの爽快感がある。楽しさ、心地よさ、単純さ。ファミコンでこういうゲームをやってたお父さん世代とお子さんでも盛り上がれるかも。

川郁子さんの推し『ASTRO SURVIVOR』

【川郁子さん推薦コメント】

思い入れがあるのは、自分でデザインした『ASTRO SURVIVOR』です。

可愛い女の子のキャラクターが、暗い世界を懐中電灯で照らしながら冒険していくという内容で、SFファンタジー感ある世界観になっています。

おしゃれなゲームを意識して、音楽もミュージシャンに依頼して癖のある感じにつくってもらったりと、こだわっています。

内山堅さんの推し『地獄連打』

【内山堅さん推薦コメント】

一番のお気に入りは『地獄連打』。不条理な条件下でひたすら連打だけをさせられるという単純作業がツボです。

本当は大きなボタンで操作したいゲームなので、コントローラー側にもこだわりたかったのですが、そこは次の機会に。

「人生の大切なことをゲームから学ぶ展」公式サイト
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イベント情報

勇者はUXデザインから生まれる?「人生の大切なことをゲームから学ぶ展」

会期
2024年3月15日(金) - 4月14日(日)
11:00 - 20:00 *最終日は18時閉館
会場
GOOD DESIGN Marunouchi
入場料
無料
※混雑状況により入場制限を行う場合がございます
主催
公益財団法人日本デザイン振興会
株式会社たきコーポレーション
公式サイト
https://gamekaramanabu-ten.com/
ティザームービー
https://www.youtube.com/watch?v=tvzq7YaWu8Y
公式X
https://twitter.com/gamekaramanabu
お問い合わせ
人生の大切なことをゲームから学ぶ展 企画チーム(株式会社たきコーポレーション)
info@gamekaramanabu-ten.com

関連キーフレーズ

藤井 賢二

株式会社たきコーポレーション取締役、オンラインデザインスクール D.TOKYO TAKI Design master 講師、オンライン教育サービス Coloso. 講師。

これまで多岐にわたる商品広告やブランド広告のアートディレクション、クリエイティブディレクションに従事。

UXを基調としたデザインコンサルティングを行う。社会貢献活動「TAKI SMILE DESIGN LABO」のリーダーとして活動するほか、さまざまなプロジェクトでアートディレクターとしても活動。

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修了。

慶應義塾大学 グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)健康寿命延伸プロジェクト 研究員在籍。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科Education Labメンバー。

内山 堅

株式会社たきコーポレーション UXデザインカンパニーIDEAL 代表

出版社勤務を経て、2005年より当社に在籍。主にクリエイティブ施策のプロデュースおよびプロダクション管理を担当。

【代表的なプロジェクト】
・JR九州「九州新幹線」開業ロンチキャンペーン
・ベネッセコーポレーション「こどもちゃれんじ」リブランディング
・ソフトバンク IoT関連プロジェクト
・環境省「ナッジ実証事業」 コンテンツ配信2019-2021
・文化庁「文化財多言語解説整備事業」xRコンテンツ配信 2020-2021
・佐賀県「歩くライフスタイル推進事業」デザインアドバイザリー 2019-

【主な受賞歴】
・グッドデザイン賞
・Apple App Store Rewind
・コードアワード
・広告電通賞

川 郁子

株式会社たきコーポレーション UX デザインカンパニーIDEAL所属

三重県出身。一児の母。

Webチーム、社内新規事業開発チームを経て、現在はUX専門部署IDEAL(アイデアル)所属。

Web、アプリケーション、動画、グラフィック、体験型コンテンツなど、媒体にこだわらず、デザインを担当。 特に、キャラクターを使用したコンテンツを多く制作。

【主な受賞歴】
・グッドデザイン賞
・Apple App Store Rewind
・広告電通賞
・ADFEST

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