火将ロシエル「コスプレは行政からも認められる文化に」
生誕祭を終えた直後の火将ロシエルさんに、15周年という自身のコスプレ活動やコスプレイヤー像の変化などを直撃。オリジナルコスプレNFTという挑戦に対しては「まだまだ勉強中」と話しながら、コスプレイヤーの新たな収入源としての可能性も感じていました。また、Curecos担当者にも、仮想通貨や暗号資産と聞くとどうしてもイメージしがちな疑問をぶつけてみました。
──生誕祭の開催、おめでとうございます。コスプレをはじめて2022年で15周年とのことですが、活動当初はここまで長く続けられると予想していましたか?
火将ロシエル 何の趣味も特技もなくて暗い人間だった私が、15年も活動を続けられるとは思っていませんでした。兄からメイド服をプレゼントされたことがきっかけでコスプレに目覚めて以降、コスプレは本当に自分を明るい人間にしてくれたし、かわいいキャラクターになりきる自信も与えてくれました。
もちろん活動をはじめた当初はあくまで趣味の一環で、衣装をつくるたびに働いて貯めたお金をすり減らす生活でした。だからこそ、趣味で熱中していたコスプレが、将来的にお仕事につながるような未来は、当時はまったく想像できませんでした。 ──ご自身にとって「コスプレが職業として認識されてきた」「お仕事につながってきた」と実感したのはいつ頃でしょうか?
火将ロシエル 5年前くらいからですね。当時、私のTwitterに載せていたお仕事依頼用のメールアドレスに、企業から案件の依頼をいただけるようになりました。以前は個人的な撮影会や1日限りのコンパニオン、もしくは「コミックマーケット」のような即売会での同人誌やコスプレROM頒布でしか、コスプレが収入につながることはありませんでした。
でも今は、「東京ゲームショウ」や「AnimeJapan」といった大型イベントに、企業ブースの公式コスプレイヤーとして参加したり、コスプレで名前を知ってもらったことでグラビアに挑戦させてもらったりと、とにかく企業と一緒にお仕事をさせてもらう機会が増えました。
特に印象的だったのは、2020年に東京観光財団の親善大使として、海外で東京の魅力をPRする活動に携わらせていただいたことです。日本をPRする立場として「コスプレイヤーやコスプレ文化が行政からも認められるようになったんだ」と、感動したのを覚えています。 ──職業としてもコスプレイヤーが活躍する場は広がっているということですか?
火将ロシエル そう感じます。最近ではコスプレイヤーがTVに出演することも一般的になりつつありますし、コスプレイヤーの中には、DJとして活躍する人もいれば、インフルエンサーとして人気を集める人もいる、舞台やTVへと進出する人もいます。
コスプレイヤーとしても、趣味で続ける人もいれば、お仕事へとつなげる人もいて、選択肢は広がっていると思います。私自身も、大好きな趣味であることは前提として、コスプレをきっかけに様々なお仕事に携わらせていただく機会が増えました。
だからコスプレイヤーが活躍する場も、それをきっかけにした活動の幅も、それぞれ大きく拡大していると感じますし、そういう意味でコスプレはまだまだ可能性を秘めていると思います。
「コロナ禍は大打撃」コスプレのNFT利用への期待
──そうした中で訪れたコロナ禍は、コスプレイヤーとしての活動や収入に大きな影響を与えたのではないでしょうか?火将ロシエル 正直に言って大打撃でしたね(笑)。アニメやゲーム関連の大型イベントが軒並み開催されなくなったり、モチベーションのひとつでもあったコミケが中止になったりと、影響は大きかったです。仲のいいレイヤーさんの中には引退する人もいました。
ファンの方々と直接交流できる場の存在感の大きさを実感する一方で、自宅でできる新たな活動が増えていきました。オンライン撮影会をはじめ、コスプレやグラビアの撮影を自宅で行うなど、みんなが外出自粛の中でできることを模索していました。
私もコロナ禍以降、ファンクラブを通じたオンラインでの活動量が増えましたし、YouTubeチャンネルを開設して動画を投稿したり、バーチャルYouTuber(VTuber)としてゲーム実況を配信したり、新しいことにチャレンジできたのはよかったですね。
──CurecosとのオリジナルNFTの販売も、新たな挑戦のひとつだと思います。8月13日・14日に行われた3年ぶりの夏コミ「コミックマーケット100」では、仮想通貨コスプレトークン(COT)を配布されたようですね。
火将ロシエル 2021年末の冬コミから人数の上限が緩和されて、なおかつ記念すべき100回目、3年ぶりの夏コミ──まだまだ制限はある中でも、コミケらしい盛り上がりを感じられたのは嬉しかったです。
それにブースで配布したCOTにも多くの人が興味を示してくれて、中にはそれまでNFTについて知らなかったけどその場で登録してみたという人もいて、すごくありがたかったですね。 ──NFTは日本ではまだまだ馴染みが浅く、また仮想通貨という点で、グレーなイメージを抱く人もいると思います。今回の取り組みのオファーを受けたとき、不安などはなかったのでしょうか?
火将ロシエル 不安はあまりなかったです。私自身が“やってみなきゃわからない精神”なので(笑)。まずは今回1週間、1日1枚日替わりで販売する。そこからまた新たな展開がスタートするかもしれないとも思っています。
Curecos担当者 おっしゃる通り、日本で仮想通貨のプロジェクトと聞くと、あまりよくないイメージが先行している面もありますし、実際に詐欺めいたプロジェクトもあると思います。
ただ、そういう意味で私たちのCosplay Token(COT)は、金融庁の許可を得て、日本の取引所に上場している点は、大きな信用の証になると感じています。国からOKが出ている仮想通貨プロジェクトとして、いろいろな方々に安心して利用していただきたいです。
また今回は、ロシエルさんにも「キュア」というブランドを信用してご協力いただいていると思っています。だからこそ、今後もその信用に値するプラットフォームを目指していきたいです。 火将ロシエル 私もまだまだ勉強中なのですが、コスプレ画像だけでなく、動画や音声もNFT化できるようなので、いろいろ挑戦していきたいと思っています。
それに、二次流通も記録され、所有者が他の方に権利を譲ったときに、自分にもロイヤリティが入ってくるのは画期的に感じました。私個人だけでなく、コスプレイヤーにとっての新たな収入源のひとつとしても期待しています。
──オンライン上での支援としては、各社から様々な方法・プラットフォームが展開されています。CurecosおよびCOTの魅力は何だと思いますか?
Curecos担当者 既存のオンライン上で投げ銭する仕組みの多くは、ファンから本人だけの一方通行で、ファンの方が資金的に疲弊してしまう恐れがありました。NFTの場合、たとえばファンの方がロシエルさんにCOTを送って入手したNFTは財産になります。
当然、ロシエルさんの知名度が上がれば、資産価値も上がる。それを二次流通させることで、新たなロシエルさんの応援資金を手に入れることができる。そういう循環が魅力だと考えています。従来は心苦しいはずのアイテムを手放すという行為ですが、NFTであれば売買する時にロシエルさんに還元されるという面も大きいのではないでしょうか。
火将ロシエル 今までは一方的に投げ銭をしてもらうというか、支援してもらう一方でしたが、今後お互いに利益を得る可能性が高くなるのはすごく嬉しいですし、もっと頑張ろうという励みにもなりますね。
実は活動の中で、ファンクラブ限定でアップした画像が転載されてしまって、インターネットに画像を上げることで自分の価値が下がってしまうのではないかと、不安に感じたこともありました。
でもNFTであれば、自分が頑張ることで価値を上げられるかもしれないし、応援してくれる人にきちんと還元できるかもしれない。自分が活動する意味も、Curecosとの取り組みによって、これまで以上に広げていきたいと思っています。
推し活は一方的な支援ではなく、投資という相互循環へ
Curecos担当者によれば、世界中どの国でも購入できる仮想通貨だからこそ、海外のファンがコスプレイヤーを支援しやすくなるという側面もあるのだそう。仮想通貨なのでビットコインなどと同じように値動きもしますが、そのぶんコスプレイヤーさんの活躍次第で、今後資産価値が上がっていく可能性も考えられます。……なんて言われると「資産? コスプレ画像が?」と思うかもしれませんが、売買を考えなければこれまでと変わらない、推しレイヤーに対する支援のひとつです。
推しの価値が少しでも上がるように。そして推し活が、少しでもファンの資産になるように。コスプレNFTは、推しとファンのお互いを思う気持ちを結びつけるひとつの選択肢なのかもしれません。
【Curecosを運営する株式会社キュア代表・川相潤一郎さんコメント】
コスプレは世界中で愛されており、人種、ジェンダー、言葉が関係なく誰もが楽しめるコミュニティです。その熱量も強いです。これまで個人で楽しむ方が多かった分野ですが、最近はコスプレイヤーがインフルエンサーや著名人になるケースや応援や支援を得ている方が世界含めて非常に増えてきています。このコミュニティパワーをブロックチェーンを活用したNFTサービス「Curecos」で世界中のファンコスプレイヤーが応援や支援を得られるよう目指していきます。応援よろしくお願い致します!
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