こんにちは、もぐもぐと申します。インターネットとアイドルが大好きです。
この連載も3回目。「あなたの知らない熱狂の世界」、を紹介しようと思って書いてきていますが、今回は「次元の壁を溶かす」です。「いま好きな人ね~、1つ下なの。次元が」というジョークもありますが、はてさてその壁を乗り越えるにはどうしたらよいのでしょう。
2次元のもの、非実在のものを現実に“降臨”させる──映像を駆使した初音ミクのライブや、アニメや漫画の原作を舞台で演じる2.5次元ミュージカルもその1つだと思いますが、今回はインターネットを使って2次元をリアルに近づける例として、「うたの☆プリンスさまっ♪」に登場するアイドルたちによるTwitter企画について考えたいと思います。次元の壁は、テキストだけで壊せました。
Vol.2:アイドルの「握手会」に1年通ってわかったこと
ゲームやアニメに出てくるキャラクターは、シャイニング事務所に所属するアイドルという設定(シャニドル、です。お察しください)。それぞれソロで活躍したり、時には「ST☆RISH」「QUARTET★NIGHT」というグループに分かれて活動しています。
そんな彼らが“事務所公式”でファンとの交流のためにTwitterアカウントを開設して、メンバー同士でリプライを飛ばし合ってあれこれしゃべったり、写真をアップしたりする企画が、2013年10月から2014年2月までの5ヶ月間の期間限定で動いていました。 どのアカウントも15~20万のフォロワーを抱え、何気ないツイートにも一瞬で数千のお気に入り、RTが飛ぶ世界です。熱量がすごい。
とはいえきっと、外から見ると「えっそんだけ?」って思うじゃないですか。思いますよね。要するに、そういうごっこ遊びね? みたいな。
でもそんな薄っぺらいものじゃなかったのです。身体なんてなくても、テキストだけでどうしようもなく“今ここ”を共有できるなんて、大発見でした。2次元と3次元をつなぐ手立てはここにあったのか!
って、書いたところでわけわからないと思うのでこれから説明していきます。おもしろさをなんとか外向けに説明したいし、もっと言えばソーシャルメディア・マーケティングの事例としてものすごく優秀だと思います。
平たく言うと、それぞれの上演を収録したという形で3枚のドラマCDが発売される、ということです。実在のアイドルのコンサート映像と同様に、楽屋でのオフシーンもあります。
まずこの設定からして、おいしすぎる。先輩後輩シャッフルとか“アイドルファンとして”好きに決まってます。舞台の3演目も「仮面舞踏会」「派閥同士で争う忍者」「スパイ」と非現実な世界で、ある意味公式パロディ、公式二次創作のような形ですよね。芸能人・アイドルという設定だからこそ広げられる世界でわくわくします。 声優さんが演じてるキャラクターが扮してる非実在アイドルが、さらに脚本上の役を演じて、それがドラマCDという商品として実存する──二重に「偶像で虚像」、もうキングオブ偶像って感じです。メタすぎる。しかも、この舞台のやってる世界線にはどんなに祈っても行けないのです……が、参加する方法はいくらだってあります(このあたりは後ほど)。
そして特徴的なのはこの長い期間。これまでも日にち限定の同様の企画もあったのですが、5ヶ月の間には、ハロウィーン、クリスマス、お正月、バレンタインの季節イベントはもちろん、舞台の初日やら千秋楽やらも設定されています。
キャラクター数人の誕生日もあるし、「レコーディングや撮影の裏側→これ以上はまだ秘密だから楽しみにしててね→実際に発売」って流れをまるっと目撃できるし、東京で大雪! などの時事ネタも混ぜてくるし、全部現実と同じ時間軸で素材にできるわけです。楽しすぎる。 というわけで、このPRプロジェクトの先にある現実の世界での直接的な売り物は単に「ドラマCD」なのですが、もっと広い意味でファンを楽しませる仕掛けを惜しげもなく詰め込みまくっていて、本当に震えました。Twitterをきっかけにうたプリにハマった、という人もかなり見受けられました。
この連載も3回目。「あなたの知らない熱狂の世界」、を紹介しようと思って書いてきていますが、今回は「次元の壁を溶かす」です。「いま好きな人ね~、1つ下なの。次元が」というジョークもありますが、はてさてその壁を乗り越えるにはどうしたらよいのでしょう。
2次元のもの、非実在のものを現実に“降臨”させる──映像を駆使した初音ミクのライブや、アニメや漫画の原作を舞台で演じる2.5次元ミュージカルもその1つだと思いますが、今回はインターネットを使って2次元をリアルに近づける例として、「うたの☆プリンスさまっ♪」に登場するアイドルたちによるTwitter企画について考えたいと思います。次元の壁は、テキストだけで壊せました。
連載:いただきます、インターネット
Vol.1:「レポ」がつくるファンとステージの距離Vol.2:アイドルの「握手会」に1年通ってわかったこと
「うたプリ」って何?
「うたの☆プリンスさまっ♪」は、このほど4周年を迎えた女性向け恋愛ゲームです。TVアニメシリーズも1,2期の放送を終え、3期の放送も決まっています。グッズやCDの関連商品もものすごい数!ゲームやアニメに出てくるキャラクターは、シャイニング事務所に所属するアイドルという設定(シャニドル、です。お察しください)。それぞれソロで活躍したり、時には「ST☆RISH」「QUARTET★NIGHT」というグループに分かれて活動しています。
そんな彼らが“事務所公式”でファンとの交流のためにTwitterアカウントを開設して、メンバー同士でリプライを飛ばし合ってあれこれしゃべったり、写真をアップしたりする企画が、2013年10月から2014年2月までの5ヶ月間の期間限定で動いていました。 どのアカウントも15~20万のフォロワーを抱え、何気ないツイートにも一瞬で数千のお気に入り、RTが飛ぶ世界です。熱量がすごい。
とはいえきっと、外から見ると「えっそんだけ?」って思うじゃないですか。思いますよね。要するに、そういうごっこ遊びね? みたいな。
でもそんな薄っぺらいものじゃなかったのです。身体なんてなくても、テキストだけでどうしようもなく“今ここ”を共有できるなんて、大発見でした。2次元と3次元をつなぐ手立てはここにあったのか!
って、書いたところでわけわからないと思うのでこれから説明していきます。おもしろさをなんとか外向けに説明したいし、もっと言えばソーシャルメディア・マーケティングの事例としてものすごく優秀だと思います。
何をしてたの?
直接の名目は、普段2グループに分かれて活動している11人のアイドルをシャッフルして3チーム作り、「劇団シャイニング」としてそれぞれお芝居をやるよ! 稽古の舞台裏とか期間限定で発信していくよ! っていう立て付けです。平たく言うと、それぞれの上演を収録したという形で3枚のドラマCDが発売される、ということです。実在のアイドルのコンサート映像と同様に、楽屋でのオフシーンもあります。
まずこの設定からして、おいしすぎる。先輩後輩シャッフルとか“アイドルファンとして”好きに決まってます。舞台の3演目も「仮面舞踏会」「派閥同士で争う忍者」「スパイ」と非現実な世界で、ある意味公式パロディ、公式二次創作のような形ですよね。芸能人・アイドルという設定だからこそ広げられる世界でわくわくします。 声優さんが演じてるキャラクターが扮してる非実在アイドルが、さらに脚本上の役を演じて、それがドラマCDという商品として実存する──二重に「偶像で虚像」、もうキングオブ偶像って感じです。メタすぎる。しかも、この舞台のやってる世界線にはどんなに祈っても行けないのです……が、参加する方法はいくらだってあります(このあたりは後ほど)。
そして特徴的なのはこの長い期間。これまでも日にち限定の同様の企画もあったのですが、5ヶ月の間には、ハロウィーン、クリスマス、お正月、バレンタインの季節イベントはもちろん、舞台の初日やら千秋楽やらも設定されています。
キャラクター数人の誕生日もあるし、「レコーディングや撮影の裏側→これ以上はまだ秘密だから楽しみにしててね→実際に発売」って流れをまるっと目撃できるし、東京で大雪! などの時事ネタも混ぜてくるし、全部現実と同じ時間軸で素材にできるわけです。楽しすぎる。 というわけで、このPRプロジェクトの先にある現実の世界での直接的な売り物は単に「ドラマCD」なのですが、もっと広い意味でファンを楽しませる仕掛けを惜しげもなく詰め込みまくっていて、本当に震えました。Twitterをきっかけにうたプリにハマった、という人もかなり見受けられました。
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もぐもぐ
ブロガー/ライター
1989年生まれ、東京都出身。ブログ「インターネットもぐもぐ」を中心に、ネット界隈で盛り上がっている話題から、普段の何気ない日常まで、独自の感性と視点からあらゆる物事を書き連ねる女子ブロガー/ライター。
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