何がそこまで彼女をバズらせたのか。それは友人を笑わせるためのモノマネ動画。2018年冬からTwitterへの投稿をスタートした彼女は、SNSマーケティングに興味を抱き、分析を繰り返した結果、時の人に(バズった)。
2019年4月に投稿された「言葉は特に発さず、下唇を噛んでクネクネしているだけなのに 鼻息で持ち帰りOKオーラを出すことに慣れてしまった 1年女子大生の秋」と題したモノマネは、3万7000件のリツイートと16万9000件のいいねを記録した(6月15日時点)。モノマネ
— くつざわ🌻 (@kutsuzawa_desu) 2019年4月29日
「言葉は特に発さず、下唇を噛んでクネクネしているだけなのに 鼻息で持ち帰りOKオーラを出すことに慣れてしまった 1年女子大生の秋」 pic.twitter.com/ObgrWVHq2s
メリットもあった一方で、「数字としてしか見られていない」「窮屈さを感じる」と、有名になったがゆえの悩みを告白。最近では「こんなバズりたくなかったな」と思うこともあるという。
「決してインフルエンサーになりたいわけではない」と語るくつざわさん。友人を笑わせようとしていた普通の女子大学生に、SNSは何をもたらしたのだろうか?
モデル:くつざわ(@kutsuzawa_desu) 撮影:Diora(@Diora_by_tot)
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東京周辺に生息するくつざわさんて何者?
くつざわさんプロフィール
生年月日:1999年6月11日
出身:千葉県
身長:154cm
スリーサイズ:あまり覚えてませんが平均あたりかと思われます
趣味・特技:カメラ、ギター、ダンス
好きなこと:シンプルに焼肉の食べ放題が好きです、安いの
好きな映画:『シンドラーのリスト』
好きな本:『星の王子様』
好きな音楽:YUI
好きな漫画:地獄のミサワ
チャームポイント:「鼻高いね」
フォロワー5万人増えたら「私をコンテンツとしてしか見てくれない」
──「3日で5万人フォロワーが増えた女」とのことですが、改めてバズった対象を教えてください。くつざわ モノマネ動画です。「言葉は特に発さず、下唇を噛んでクネクネしているだけなのに 鼻息で持ち帰りOKオーラを出すことに慣れてしまった 1年女子大生の秋」という。
もともとは、自分の周りにいる「モテ女」=「髪をかき上げてる系女子」のあるある的なのをテーマに再現してたりしたんですが、それがバズりました(笑)。 ── バズったあと、自分や周囲に何か変化はありましたか?
くつざわ バズってからの私は、みんな(フォロワー)から「理想のくつざわさん像」があるとわかって、それが窮屈に感じるようになりました。最初はもっと自由にやってたのに。
──くつざわさんに対する見方が変わったということですか?
くつざわ 私をコンテンツとしてしか見てくれない人が増えました。一番衝撃的だったのは、アンケートを取るアカウントに突然タグ付けされて、「今後のくつざわさんに期待する? しない?」みたいなかたちで投稿されたことです。
あとはメンズコスメのPRを依頼されたこともありました。仮に私が受けたとしても伸びないですし、数字につながらないですよね。それに自分みたいな人間が、PR案件ばかりつぶやくようになったら、つまらなくなっちゃうと思います。
「最近伸びている」という理由だけで「使っておこう」みたいな意識を感じることが増えてしまって、少し寂しい気持ちです。
──スカウトのような誘いも多かったのではないでしょうか?
くつざわ そうですね。でも私の将来は考えずに、とりあえず私にやらせたい案件を持ってくるような印象でした。(私のことを)下に見ているというか、「君1人じゃ無理だよ、僕たちがいなきゃ」というように接してくるので、少ししんどさを感じることがあります。
今後バズる人へ「ごたごた言ってくる人は1回置いとこ!」
──つまりSNSでバズる=有名になることにはリスクがあると?くつざわ ここまでくると、最近は「こんなバズりたくなかったな」って思うときもありますね。どちらかというと、バズってからはマイナスって感じるほうが多かったです。
やってること的に「結局芸能人になりたいんじゃん!」と思われそうですが、そうではないよ、というために、いまは表に出る仕事以外の受注を増やしています。表に出ないから知られていないとは思いますが。
──逆に有名になってよかったことを教えてください。
くつざわ 会いたい人に会うことができました。例えばクラシル(料理レシピ動画サービス)を立ち上げたdelyの堀江(裕介)さんとか。
私はもともとマーケティング業界に進みたいって気持ちがあったんですけど、その業界の会社の方々と会うことができたのはよかったです。
これから先、仮に自分のやりたいことができるチャンスが広がっていくんであれば、バズってよかったって思うかな。まだわからないですけどね(笑)。 ──ご自身もメリット・デメリットの両方を経験していますが、最近のSNS文化で感じることはありますか?
くつざわ 自分を発信する手段としてはいい手段だと思います。けど、それを逆手にとって、SNSのユーザーをいいように使う方々も多い。
最初はただの娯楽が、最近は情報の集まる場になってしまっていて、昔は趣味な雰囲気だったのに“仕事感”を感じることも増えてる気がします。
あとは「いいね」ボタンですね。あの存在によって、人間の承認欲求がどうしても露わになってしまうので。「いいね」を稼ぐために投稿する方も多いですね。 ──くつざわさん自身はSNSをどう使っているんですか?
くつざわ やっぱり自分自身のやりたいことにフォーカスしてます。というか、したいのかな。
バズって周りに注目されるようになって、制約というか窮屈さを感じるようになってしまって。何かを発信するにしても、ちょっとした些細なことにも気をつけなきゃいけなくて、それがすごく辛いです。バズる前のような投稿をすると、「何それお前じゃないじゃん」と言われることも多々。
「私は私だよ」と言いたいですし、そのためにこういう取材を受けてます。
──それほど細かなことに気を使わないといけないんですか?
くつざわ 例えば、いまの自分の状況──有名になってやりたいことができなくなった──をツイートしたとしたら、「いいことばっかでしょ! 何言ってるの!?」とかリプが飛んでくる。
つぶやきの頻度が多いと「最近つぶやきすぎじゃない?」とか言われるし。それで、そういう状況をツイートすると、また「有名になったから仕方ないね!」みたいな。 ──今後やりたいことを教えてください。
くつざわ 自分のコミュニティーをつくりたいです。起業とはちょっと違うのかもしれないけど、何か自由に動ける仲間と何かする。例えばメディアとか。
Diora 話を聞いてて思ったのは、くつざわさんて自分が前に前に出ていきたいというより、その先の仕組みのようなものをつくりたいタイプなのかなって。
くつざわ そうなんです! 前に出ることはあくまでも手段であって、最終的な目的はそこじゃないんです。
Diora 高校の頃はどんなタイプだったんですか? 良くも悪くも我が強かったような印象だけど……
くつざわ 男の子と喧嘩することも多かったです。かかってこいやー!みたいな。
Diora つまりモテたんですか?
くつざわ モテるよりむしろ敵対してましたね。
──あえて聞きたいんですが、今後どんな人にフォローしてほしいですか?
くつざわ いやぁ、フォロワーいらないっすよ……というのは言い過ぎかもしれませんが。そんな気持ちも少しあります。
きっと周りからフォロワー増えれば良いことばっかりでしょと思われてるんだと思うんですけど、そうじゃないことも多々ありますから。
──では最後に、これからバズる人に対してのアドバイスをお願いします
くつざわ 1カ月で突然有名になって、求められることへのストレスが半端ないことを理解せずにごたごた言ってくる人は、1回置いとこ!
──くつざわさんご自身の決意表明でもありますね。
くつざわ もちろん、そんな方たちだけじゃなく、私のことを考えてくださって一緒に何か出来ないかと協力してくれる方も沢山います。本当にありがたいです。今後もいろんな方の力を借りながらも、自分自身を成長させていきたいです。 【画像】くつざわさんの写真をギャラリーで見る ※インタビュー内容について誤解を招きかねない表現がございましたので、ご本人と相談の上で訂正いたしました
梅雨を(一緒に)過ごしたい美少女たち
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連載
美少女を撮影するため全国を飛び回る写真家・Diora氏。 その彼が注目している、これから大きく羽ばたくであろう期待の美少女を撮影。インタビューとあわせて紹介する。 本連載ではこれまでに、何人もの美少女を世に送り出してきた。「やね」さんや「つぶら」さん、「似鳥沙也加」さんといった美少女は、彼の撮影がきっかけで、広く知られるまでになった実績を誇る。 今日も彼は、まだ見ぬ美少女を求めてシャッターを切る。
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