歌手の竹内まりやさんが、35年前の楽曲「プラスティック・ラブ」の新公式MVを公開した。
本日5月17日(金)より、ライブドキュメンタリー映画『souvenir the movie 〜MARIYA TAKEUCHI Theater Live〜』がアンコール上映を開始。再上映のタイミングに合わせ、1984年に発表されてから現在までYouTubeなどを通じてカルト的な人気を誇る同楽曲の新MVが制作された。
今回映像を手がけるのは、星野源さんや米津玄師さん、崎山蒼志さんらのMVで知られる気鋭の映像クリエイター・林響太朗さん。
35年前の楽曲を再解釈し完成させたMVとなっている。
ではなぜ、35年後の2019年に同楽曲のMVが制作されたのか。
それはインターネット経由による、近年の海外を中心とした同時多発的な80年代シティポップの再評価が背景にあるのではないかと筆者は考える。
その代表的な例として、2017年Youtubeに非公式にあげられた「プラスティック・ラブ」の異常な再生回数がある。現在は著作権侵害のため削除されているが、当時2400万回以上の再生回数を叩き出し、再投稿された現在も660万再生を突破している(外部リンク)。
特異なのはそのコメント欄。全てが英語で書かれており、海外リスナーの多さを物語っている。
Viceの音楽メディアNoisyで取り上げられたことも大きな話題となった(外部リンク)。
番組は大きな反響を呼び、大貫妙子さんご本人も反応。再発が決定し、販売されるまでに至った。
同レーベルから2018年には、細野晴臣さんの1973年から1989年までのアルバム5タイトルがCDとレコードで発売されるなど、海外での再評価が目に見える形であらわになってきている。
YouTubeやSoundCloudなどのインターネット上で、日本の80年代シティポップやAOR(アルバム・オリエンテッド・ロック)、『うる星やつら』や『セーラームーン』などのアニメ映像やセリフをサンプリングし、ピッチを上げて作られたダンスミュージックが続々と発表されているのがこのジャンル。
そのどれもが海外からのコメントで埋め尽くされており、再生数もYouTubeで数百万再生を誇る。TANUKI - BABYBABYの夢
そのフューチャーファンクの代表格と言われる、韓国人音楽プロデューサー・Night Tempoさんが2016年にYouTubeに投稿したのが竹内まりやの「プラスティック・ラブ」をミックスしたものだった。
Takeuchi Mariya - Plastic Love (Night Tempo 100% Pure Remastered)
動画は現在830万再生を記録し、やはりそのコメント欄から海外の方々に聴かれているのが分かる。
その流れが国内にも飛び火し2018年には、1996年生まれの気鋭R&Bシンガー・Friday Night Plansがカバーし、2019年にはインターネットと親和性の高いtofubeatsもカバーをリリースしている。Plastic Love
これらの流れを持っていうならば、「プラスティック・ラブ」は同時多発的に発生したシティポップ再評価のアイコンといえるだろう。
そしてついに2019年、35年の時を経て公式のMVが制作されることになったのは、国内ファンのみならず、海外ファンにとっても嬉しく大きな出来事なのではないだろうか。
世代や国を越えて、多くの人々から愛される竹内まりやさんの40周年記念を筆者もファンとして祝福したい。
本日5月17日(金)より、ライブドキュメンタリー映画『souvenir the movie 〜MARIYA TAKEUCHI Theater Live〜』がアンコール上映を開始。再上映のタイミングに合わせ、1984年に発表されてから現在までYouTubeなどを通じてカルト的な人気を誇る同楽曲の新MVが制作された。
今回映像を手がけるのは、星野源さんや米津玄師さん、崎山蒼志さんらのMVで知られる気鋭の映像クリエイター・林響太朗さん。
35年前の楽曲を再解釈し完成させたMVとなっている。
時代の波に埋もれないこの名曲を、令和になったこの年に改めて世に放てたこと。それに監督として関われたこと。大変光栄でした。この曲が生まれた時代への尊敬と、僕ら同世代の解釈を織り交ぜ一丸となって作りました。ぜひご覧ください。 林響太朗さんコメント
海外での80年代シティポップの再評価
「プラスティック・ラブ」は1984年に発売されたアルバム『VARIETY』の中の収録曲。同アルバムは、竹内まりやさんが全作詞・作曲を手がけ、アレンジ・プロデュースに山下達郎さんを迎えた名盤となっているが、あくまでも同楽曲は収録曲内の1曲だ。ではなぜ、35年後の2019年に同楽曲のMVが制作されたのか。
それはインターネット経由による、近年の海外を中心とした同時多発的な80年代シティポップの再評価が背景にあるのではないかと筆者は考える。
2400万回再生された「プラスティック・ラブ」
YouTubeを情報源とした海外のDJ達によって、近年80年代シティポップは未知の宝の山として掘られ、広まりつつある。その代表的な例として、2017年Youtubeに非公式にあげられた「プラスティック・ラブ」の異常な再生回数がある。現在は著作権侵害のため削除されているが、当時2400万回以上の再生回数を叩き出し、再投稿された現在も660万再生を突破している(外部リンク)。
特異なのはそのコメント欄。全てが英語で書かれており、海外リスナーの多さを物語っている。
Viceの音楽メディアNoisyで取り上げられたことも大きな話題となった(外部リンク)。
海外有志たちによるレコードの再発
同じく2017年の印象的な出来事として、テレビ東京系の番組「YOUは何しに日本へ?」では、1977年に発売された大貫妙子さんの『SUNSHOWER』のレコードを求め来日したアメリカ人観光客に密着。番組は大きな反響を呼び、大貫妙子さんご本人も反応。再発が決定し、販売されるまでに至った。
同年、シアトル発のリイシューレーベル「Light In The Attic」では、シティポップ前夜ともいえる1969年から1973年までの日本のフォークとロックのコンピレーションアルバムを発売。はっぴいえんどや加藤和彦さんらが収録された。凄い!奇跡!サンシャワーのLPは、私も手元に1枚しかないし。それもボロボロで。良かった〜ほんとに(涙)
— 大貫妙子 official (@OnukiTaeko) 2017年8月7日
大貫妙子#youは何しに日本へhttps://t.co/mk0VLJuOHU…
同レーベルから2018年には、細野晴臣さんの1973年から1989年までのアルバム5タイトルがCDとレコードで発売されるなど、海外での再評価が目に見える形であらわになってきている。
新たな音楽ジャンル・フューチャーファンクの出現
そしてもうひとつ象徴的な出来事は、「フューチャーファンク」と呼ばれるインターネットから発生した音楽カルチャーの出現だ。YouTubeやSoundCloudなどのインターネット上で、日本の80年代シティポップやAOR(アルバム・オリエンテッド・ロック)、『うる星やつら』や『セーラームーン』などのアニメ映像やセリフをサンプリングし、ピッチを上げて作られたダンスミュージックが続々と発表されているのがこのジャンル。
そのどれもが海外からのコメントで埋め尽くされており、再生数もYouTubeで数百万再生を誇る。
その流れが国内にも飛び火し2018年には、1996年生まれの気鋭R&Bシンガー・Friday Night Plansがカバーし、2019年にはインターネットと親和性の高いtofubeatsもカバーをリリースしている。
そしてついに2019年、35年の時を経て公式のMVが制作されることになったのは、国内ファンのみならず、海外ファンにとっても嬉しく大きな出来事なのではないだろうか。
世代や国を越えて、多くの人々から愛される竹内まりやさんの40周年記念を筆者もファンとして祝福したい。
音楽には愛しかない!
この記事どう思う?
関連リンク
0件のコメント