アニメ『妖精ちぃたん☆』放送見合わせ 公式サイトやYouTubeも削除

アニメ『妖精ちぃたん☆』放送見合わせ 公式サイトやYouTubeも削除
アニメ『妖精ちぃたん☆』放送見合わせ 公式サイトやYouTubeも削除

ちぃたん☆/画像は公式サイトより

POPなポイントを3行で

  • 「ちぃたん☆」のアニメが放送見合わせ
  • 須崎市から活動停止を要請されたゆるキャラ
  • 運営会社は須崎市の主張に反論
テレビ東京は2月15日、4月3日(水)から放送予定だったアニメ『妖精ちぃたん☆』について、「諸事情により放送を見合わせる」と発表した。

決定に伴い、アニメの番組ページは削除され、YouTubeで公開されていた予告編も削除されている(外部リンク)。

なお、変更後の放送ラインナップについては、決定次第アナウンスするという。

モチーフとなったゆるキャラ「ちぃたん☆」は、高知県須崎市が著作権侵害を主張、活動停止を申し入れたことで波紋を呼んでいた。

Twitterで目にする機会が多い「ちぃたん☆」とは?

「ちぃたん☆」は、秋葉原出身のコツメカワウソの妖精として2017年に誕生。秋葉原観光推進協会公式キャラクターでYouTuberとしても活動しており、SNS上で過激にも見える体を張った動画で注目を集めた。

Twitter Japanが主催する「Twitterトレンド大賞」では、2018年に最もリツイートされたツイートに選ばれている。直接フォローしていなくても、リツイートによって目にしたことがあるという人は多いかもしれない。

キャラクターとして、フジテレビ「スパーク」に出演するほか、女性ファッション誌『Popteen』の専属モデルもつとめている。

須崎市「しんじょう君」と「ちぃたん☆」の関係

須崎市公認のご当地キャラクターとして、同市で最後に確認されたニホンカワウソをモチーフに2013年に誕生したのが「しんじょう君」。

その後、ネットで話題を呼んだ本物のカワウソ「ちぃたん☆」が、「しんじょう君」と同じカワウソであることから須崎市の観光大使に任命された。 過激な動画で注目を集め、アニメ放送が見合わせとなった「ちぃたん☆」は、この本物のカワウソをモチーフにしたキャラクターだ。

デザインは「しんじょう君」と同じ作者が手がけており、「しんじょう君」と2人でイベントに出演することもあるなど、須崎市との関係性もある。自称ではあるものの観光大使を名乗っていた。

実質これまでは、「ちぃたん☆」は須崎市から黙認されていたと言える。

大使解任の余波? 「ちぃたん☆」ゲームコラボ中止

観光大使を名乗りながら過激な動画の投稿を続けたことで、須崎市に対してクレームが入っていると報道されたのが2019年1月。

その後、クレームの影響と言及されていないものの、須崎市では本物のカワウソ「ちぃたん☆」を観光大使から解任した。

さらに2月6日には、「しんじょう君」にデザインが酷似しているとして、著作権侵害および不正競争防止法違反を根拠に、ゆるキャラ「ちぃたん☆」のマネジメント会社・クリーブラッツに活動停止を申し入れていたことが明らかになっている(外部リンク)。

翌日には、「ちぃたん☆」とコラボを予定していたゲーム『龍が如く ONLINE』がコラボの中止を発表。「諸般の事情に鑑み」と理由の名言は避けたが、波紋を呼んだ活動停止要請の影響とみられている(外部リンク)。

ゆるキャラ「ちぃたん☆」 須崎市が指摘する問題点

須崎市の発表によると、須崎市が「しんじょう君」の商標登録後に、クリーブラッツは国内で同じ作者に制作を依頼した「ちぃたん☆」を商標出願。しかし、「しんじょう君」に酷似していることで「先願に係る他人の登録商標」として拒絶されている。

クリーブラッツは須崎市が保有する「しんじょう君」に関わる以下の著作権を侵害しているとしている。

・イラスト、着ぐるみ等の翻案権(著作権法27条)
・二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(同法28条)としての複製権(同21条)
・公衆送信権(同23条)
・譲渡権(同26条の2)等

そして、上記を含む、不正競争防止法2条1項2号及び同法2条1項1号に定める不正競争(著名表示冒用行為及び周知表示混同惹起行為)に該当するという。

そのうえで、クリーブラッツが須崎市に無断で国内外で商標を出願。両者の信頼関係が損なわれたことで、活動停止を求めたが、現時点において「ちぃたん☆」は活動を停止していない。

なお、「しんじょう君」は2018年、中国などアジア各国での2019年秋のアニメ化を発表している(外部リンク)。

クリーブラッツ側も反論、食い違う両者の主張

一方、クリーブラッツ側も須崎市の発表に対して見解を表明。「『ちぃたん☆』の制作過程で須崎市の担当者に確認してもらっている」「権利を侵害する意図はない」など、須崎市との主張に反論した。

海外での商標取得についても、須崎市の担当者とのやり取りがあったうえでの申請と説明している(外部リンク)。

テレビ東京の放送見合わせという決定の背景には、こうした騒動があるとみられる。

なお、クリーブラッツは、地下アイドルグループ・仮面女子らを運営する企業として知られている。

放送見合わせにファン「やっぱり」「残念」

放送の見合わせについて、ネット上にファンから「そうなるかなとは思ってたけど」「残念」「いつかちゃんと放送してほしい」といった声が寄せられている。

ネットを駆け巡る騒動

この記事どう思う?

この記事どう思う?

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。