「バナナフィッシュ」が生まれた瞬間? 謎に包まれたサリンジャーの生涯が映画に

「バナナフィッシュ」が生まれた瞬間? 謎に包まれたサリンジャーの生涯が映画に
「バナナフィッシュ」が生まれた瞬間? 謎に包まれたサリンジャーの生涯が映画に

POPなポイントを3行で

  • サリンジャーの半生を描いた映画が1/18(金)に全国ロードショー
  • バナナフィッシュにうってつけの日を執筆する彼の姿が公開
  • 彼の謎に満ちた半生にスポットライトは当たるのか
小説家・J.D.サリンジャーの半生を描いた映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』が1月18日(金)より全国公開される。

映画では2019年1月1日に生誕100周年を迎えた20世紀を代表する作家・サリンジャーのこれまで語られてこなかった謎に満ちた半生が描かれる

サリンジャーを代表する短編小説『バナナフィッシュにうってつけの日』

映画のロードショーを週末に控えて公開された映像では、サリンジャーが代表的短編小説『バナナフィッシュにうってつけの日』を執筆する姿が描かれている。
『バナナフィッシュ』を執筆するサリンジャー
「バナナフィッシュ」と聞いて、昨年夏から年末にかけて原作・吉田秋生氏の画業40周年に合わせて放映されたアニメ『BANANA FISH』を思い出された方も多いだろう。

『BANANA FISH』作中ではストーリーの鍵を握る薬物の名前として登場するバナナフィッシュ。これはサリンジャーの『バナナフィッシュにうってつけの日』が主人公であるシーモア・グラースの唐突な拳銃自殺で締め括られることを踏まえた命名だ。
サリンジャーと切っても切れない縁のある『BANANA FISH』
アニメ最終回のタイトルがサリンジャーの出世作である長編『ライ麦畑でつかまえて』と同名だったこともあり、アニメをきっかけに改めて彼に注目した方もいるのではないだろうか。

20世紀を代表する青春小説の書き手

小説家 J.D.サリンジャー。彼の作品は単なる文学作品としての評価だけでなく、過激な内容とされての発禁処分やジョン・レノン暗殺犯やレーガン大統領暗殺未遂犯の愛読書だったという報道など、作品外での騒動も含めてアメリカ社会に大きな影響を与えた。 彼の作品の影響力はアメリカだけに留まらない。ここ日本でも古くは野崎孝氏、最近では村上春樹氏や柴田元幸氏などの手による翻訳で長きに渡って親しまれてきた。私も『ライ麦畑』の主人公・ホールデンの社会の欺瞞に背を向けて純粋なものを求め彷徨う姿に圧倒された一人だ。

また先の『BANANA FISH』だけでなく、アニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』作中の笑い男事件や、芥川賞受賞作家・円城塔氏の短編小説『バナナ剥きには最適の日々』など、日本のポップカルチャーにおいても彼の作品は引用やオマージュされてきた。

『ライ麦畑』は現在も世界中で読み継がれ、累計6500万部を突破しているなど、サリンジャーが20世紀を代表する青春小説の書き手であることに疑いはない。

成功と謎に満ちた半生

作家としての華々しい成功の一方で、その半生は謎に満ちている。

『ライ麦畑』が大ヒットした後、世間の目を避けるようにニューハンプシャー州の田舎町に移住。『バナナフィッシュにうってつけの日』が含まれる短編集『ナイン・ストーリーズ』を発表するも次第に作品数は減っていく。

1965年に最後の作品を発表した後、2010年に老衰で死去。『バナナフィッシュにうってつけの日』から連なる『グラース家』シリーズも未完のままだ。

謎に光は当たるのか

サリンジャーの謎に満ちた半生。

今回の映画がその謎に対してどうスポットライトを当てるのか、注目のポイントだ。
注目はどのように謎に迫るのか
生誕100周年を迎えたサリンジャー。まだ手に取ったことのない方はこれを機に書店で、そして昔読んだという方も本棚に眠っている彼の著作に手を伸ばす絶好の機会だ。

芥川賞の発表も目前

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