こんにちは。ヨッピーです(写真真ん中)。爆笑しながら失礼します。
皆さんもご存知の通り、来年の4月末日をもって平成が終わります。それに合わせて「平成の時代を振り返ろう」みたいなコンテンツがたくさん出まわっておりますが、その一方で大事な大事平成のエロスについても振り返っておく必要があるのではないでしょうか。
我々の過去の歩みは、そのまま未来への道しるべとなるのです。
未来の人々が、狂ったエロスの道に走ってしまわないように、ここでキッチリと総括する必要があるのではないでしょうか。
本日の記事は、
・デラべっぴん
・ギルガメッシュないと
・ダイヤルQ2
・森下くるみ
・同級生2
など、平成を彩ったエロワードにピンと来る方に向けてつくっております。
「なるほど、全然わからん」という若者は「おっさんはみんな、こんな感じの青春を送ったんだな……キモ」と暖かい目で見守って頂ければ幸いです。
題して……、
です!
よっしゃーーー! 死ぬほど下ネタ言うぞ~~~~~~~~~~!
出場者紹介
ヨッピー(37)ライター。この企画の言い出しっぺにして記事を書いている張本人でもある。「人はシコり方が9割」「オナホを使った事が無いやつが人生を滅ぼす」など、オナニーに対する思い入れが異常に深い。お世話になったのは「ギルガメッシュないと」「氷高小夜さん」「公園に落ちていたエロ本」。
TwitterのIDは@yoppymodel
ゴトウ(48)
テキストサイト「一流ホームページ」管理人、兼会社員。「アキバに詳しいオタク代表」として何故かバラエティ番組に出演し、中居くんやAKB48と共演を果たしたこともある。ヨッピーと同じくオナニーに対する思い入れが異常に深い。お世話になったのは「くりいむレモン」「松平龍樹のエロ小説」「スーパーリアル麻雀PIII」。
TwitterのIDは@gotocurry
二村ヒトシ(54)
AV男優を経てAV監督に。業界の大御所にして大ベテラン。今日の会場について「ここに集合でお願いします」とヨッピーがメールをしたら、「いつも俺が女装子とお茶して勃起してる所だ……!」と返信してきてヨッピーを驚愕させた。お世話になったのは「山上たつひこのエロ本」「キューティハニー」「やけくそ天使」。
TwitterのIDは@nimurahitoshi
かまど(29)
構成作家。当時のエロスについて全く知らない状態でここに呼ばれた可哀想な若者代表。加齢臭漂うおっさん達のたわごとにどこまでついてこれるかが問われる。
TwitterのIDは@comi_kamado
最低な座談会、いよいよスタート!
さあ、そんな感じで「平成のエロ思い出をばっしばし語ろうぜ!」みたいなノリなんですけど、その前にちょっと聞いておきたい事があって。僕は平成元年に9歳なので、平成と同時くらいにまあオナニーを覚え始めたんですけど、二村さんゴトウさんくらいの年齢の人って、その前の時代からオナニーしてましたよね? その頃って何をオカズに抜いてたんですか? 春画?
春画はひどい。江戸時代かよ。
僕は漫画のエロシーンで抜いてた記憶がありますね。1975年に連載された本宮ひろ志先生の「俺の空」とか。この作品は財閥の御曹司が自分の奥さんを探すために日本中を旅する話なんですけど、まあ各所ですぐ女性をコマしてセックスするんですよねこれが。水戸黄門コマシ旅みたいな感じです。
水戸黄門に怒られますよ。
僕は当時からオタクでしたから、通販で同人誌を買ってたような記憶がありますね。ちょうど今日、当時の本を持ってきたんですけど……。
これです。1989年に発売された同人誌コレクション。
うわーすごい! よくこんなの残ってましたね!
そう! 探したらあったの! で、こういう本の中に、同人誌の通販コーナーがあるんですよ。すごいのがですね……。
作者の住所と本名が普通に載ってるんですよ
すげえ! 狂ってる!
今だと考えられないですね!
この情報を元に、作者の人とやりとりして買うっていう頭の良いシステムで売買されたんですよ、当時は。
アンタら、どんな時代に生きてたんすか。
ヨッピーがオナニーを覚えたのって、平成に入ってからなの?
そうですそうです。でも子供の頃でも、エロスに対する衝動ってあるじゃないですか。今でも覚えてるんですけど、ジャンプで連載してた「ウイングマン」で女の子が敵に攻撃されて服が脱げるシーンがあったんですよね。それを見て子供心に「これはいいものだ」っていうのがピンと来たんですよ。でもその頃にちんちんを触ると気持ちがいいとかそういう知識もないから、そのピンと来た衝動をどう処理していいかわからなくて、そのエッチな部分をペロペロ舐めてました。舌が真っ黒になったわ。
あー、舐めるよね。わかる。
舐める舐める。あと、股間の部分に、エンピツで割れ目を書き足したりしましたよね!
それはしてない。
なんで急にハシゴを外すんですか。
すごい。全然理解できない。
その、鉛筆で書き足すとか、エッチな部分をペロペロ舐めるとか、そういうのはスケベの猛者である皆さんがたまたまそうだっただけじゃなくて、本当に普通に、一般的にあったことなんですか?
うん。あったよ。自分で女の子のオッパイを描いて、それをペロペロ舐めてたやつも居たし。
それ、楽しいんですか?
あのね、当時はエロコンテンツが圧倒的に不足してたのよ。今みたいにネットに繋ぎさえすればすぐにエッチなものが見られるような時代じゃないからね。僕らは、配られた数少ないカードで戦うしかない時代に生きていたのよ。
「エロテープ」とかも売ってたよね。喘ぎ声だけが延々流れてるカセットテープで、それをウォークマンで聞きながらオナニーする。
売ってた売ってた。神保町で売ってた。
あと母親が買ってる通販雑誌の下着コーナーのモデルさんでいい感じなやつを切り抜いて集めたりしますよね。
そうそう。外国人のモデルさんも多いんだけど、「外国人は言葉が通じないからな……」とか思って日本人モデルの部分だけ集めてた。
信じられない……。
でしょ? でもこういう、当時のエロ事情をみんなで語ってアーカイブする事は、後世のためにも大事なことなんよ。
大丈夫? 未来に向けておっさん3人が恥を晒してるだけにならない?
やっとこさ平成エロ座談会がスタート
さあ、平成に入る前から完全に余計な雑談が盛り上がってますが、ここで時系列に沿いながら3人にとってそれぞれ思い入れの深いエロコンテンツについて語っていきたいと思います。えーとね、まず1989年に、「電影少女」が週刊少年ジャンプで連載開始されてますね。
【電影少女】
「ウイングマン」で一躍売れっ子の仲間入りをした桂正和先生の代表作。「お尻の質感がすごい」「女の子が可愛い」「エロい」「とにかくエロい」など、エロスに飢えていた当時の少年少女を大ハッスルさせた。
あー、あれで性の目覚めを覚えた人は多いでしょうね。
あとはダイヤルQ2が同年にサービス開始ですって。あー! Q2ってあったな~~~!
なんですかそれ?
その番号に電話をかけると、1分100円とかで「いや~ん」とか「あふ~ん」とかそういういやらしい声が延々流れるサービスで、みんなそれを聞きながらシコるんだけど、その後いわゆるテレクラとかツーショットダイヤルとか、電話してきた女の子と直接話せるようなサービスも出てきたんよね。出会い系のハシリみたいなもんやと思う。
???
でも、これのせいで電話料金が死ぬほど高くなったり、性犯罪に繋がるとかで社会問題化したよ。このQ2に家の固定電話から電話しまくったせいで月の電話料金がすさまじいことになって、親から目の玉が飛び出るくらいに怒られた中高生は万単位でいるはず。いやー、いい時代だったな……。
全然いいエピソードに聞こえない。喘ぎ声を聞いてるだけで本当にヌケるんですか?
お前は本物のバカだな。「僕らの歩みが未来をつくる」って言ってるでしょ。今アダルト系のバイノーラル録音とかめっちゃ流行ってるじゃん。あれのハシリみたいなもんや。
【バイノーラル録音】
すごくざっくり言うと「めちゃくちゃ臨場感のある音が聞こえる録音方式」のこと。女の子がなんかしゃぶりながらエッチな事を言ってくれるやつとか「本当に耳元で囁かれてるみたい!」「これはヌケる!」って大人気。
そうそう。今ね、女性向けもすごいんだから。AV男優が壇上でエロ小説を読み上げて、会場に居る女性客がヘッドホンでそれを聞くっていうイベントがすごい流行ってるらしいよ。
でしょう。それも全部ダイヤルQ2から派生したものです。
それは言いすぎだと思う。
まあQ2が出てきたとは言え、この頃はやっぱりエロ本がメインだったよね。
そうそう。公園に落ちてるエロ本を集めてた頃です。「デラべっぴん」(1989年末)とかありましたよね。
あー! すっぴん、ベッピン、デラべっぴん!
【すっぴん・ベッピン・デラべっぴん】
英知出版からかつて出版されていた男性向け雑誌。「すっぴん」「ベッピン」「デラべっぴん」とそれぞれが独立した雑誌の名前である。当時マジで死ぬほど売れた。残念ながら現在は休刊。
あとはフルーツ系ね!
【フルーツ系】
「アップル通信」「オレンジ通信」「さくらんぼ通信」など、「フルーツの名前+通信」という名前のエロ本が色んな出版社から出ていた。
いやー、懐かしいな~~!
話題にぜんぜんついていけない…
ギルガメの思い出
楽しい会は続く……その後、1990年頃から星野ひかるさん、桜樹ルイさん、あいだももさん、白石ひとみさん、卑弥呼さんなどがデビューして、いわゆる「スター女優」みたいな人達が出てきます。
星野ひかるさん、今見てもめちゃくちゃ美人ですね。
当時、僕はレンタルビデオ屋の店員をしてたんですけど、白石ひとみさんの作品とか本当にたくさん借りられてました。
あと遊人先生※のエロ漫画、「校内写生」「ANGEL」が売れすぎて「有害図書だ!」って名指しで批判を受けて社会問題化したりしてますね。
【遊人】
「校内写生シリーズ」「ANGELシリーズ」など、「当時の中学生はみんな持ってた」っていうレベルで売れまくったエロ漫画の作者。当時のエロ漫画は劇画チックな作画の作品が多い中、遊人先生の描く女性は80年代後半にしては可愛らしく今風であったため、「あの時代に遊人が出てきたのはミッシングリング」「オーパーツ」などと言われる。
そしてなんと言っても「ギルガメッシュないと」が1992年から放送開始です!
ギルガメ! 待ってました~~~!
僕、皆さんくらいの年代の人と話すと、よく「ギルガメはすごかった」ってなんか武勇伝みたいに語られてイラッとする事が多いんですけど、何がそんなにすごかったんですか?
なんだろう…。まあ普通にオッパイは出てたよね。地上波の番組で。エロコンテンツが豊富ではなかった時代だけにあれは本当に貴重だった。
あと、飯島愛さんがこのギルガメで火がついて一気にスターになりましたよね。Tバックブームなんかもここから生まれたわけで。あの番組がなかったらこの世にTバックは存在してない。
それは明らかに言い過ぎ。
裸エプロンが市民権を得たのもギルガメの影響ですよね。なんか料理のコーナーがあって、イジリー岡田さんが憂木瞳さんと一緒に料理をつくるんだけど、ちょいちょい「あ、コショウが無いから瞳ちゃん、ちょっと取ってもらえる?」って言って憂木瞳さんに何かを取りに行かせるんよね。
で、それがいつも高い位置にあって、裸エプロン姿の憂木瞳さんが脚立に上って取るんだけど、その時にカメラが下からおっかけるっていう…。
くだらねえ~~~!
まあ、当時の話に詳しい識者の方をお呼びしたので、とりあえず入って頂きましょう! よろしくお願いします!
ヌッ
じゃん! イジリー岡田さんです!
イジリー岡田(54)
ホリプロ所属のお笑い芸人。萩本欽一に憧れて芸能界入り。元々はお笑いコンビとして活動していたが1990年からピン芸人として活躍。1991年からは「ギルガメッシュないと」にレギュラー出演したことで知名度を獲得していった。
いやー本当に……、
当時はお世話になりました……!
うわー、いいなー! 本物だ……!
あれやってください! あれ!
いいですよ。
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
やったーーーーー!!!! 最高!!!!!!!! 僕、中学生の頃の僕に言ってやりたいよね。「お前は将来、イジリー岡田さんに会えるくらいにえらくなるんだぞ」って。
いやー、当時は視聴率もすごかったんですよね?
そうですね。スタートした時は0.9%とかだったんですけど、だんだん人気が出て深夜番組にも関わらず平均5%、最高で9.4%ありましたからね。
そんなに!?
そうだよ。当時は全国民が見てたんだから。
番組に出はじめてから、道を歩いてると「あ!イジリーじゃん!」って声をかけられる事が増えましたね。一度牛丼屋でご飯を食べてたら店外からヤンキーがこっちを指さして「イジリーがいる」ってどんどん集まってきたんですよね。怖くてお店を出れないからもう食べ終わってるのにずっと食べてるフリをし続けてました。
窓をドンドンって叩きながら「おい!イジリー!出て来いよ!」とか言われてとにかく怖くて!
まあ、イジリーさんは僕らの世代の大スターですからね。なんか、インタビュー記事で見たんですけど、本当は真面目な人間だからスケベなキャラクターが嫌だった、って本当ですか?
僕は萩本欽一さんに憧れて芸能界に入ったんですけど、萩本さんはご存知の通り下ネタをやらずに「下ネタで笑いを取るのは卑怯だ!」っていう考え方の人だったので。だから葛藤はありましたね…。
ご家族から何か言われたりはしませんでした?「あんな番組に出て!」とか。
家族は割と暖かく見守ってくれていましたね。深夜の番組なんで土曜日に録画して、日曜の昼間に見てたらしいです。
よりにもよってそんな時間帯に。
ただ弟はずっと恥ずかしがって僕が兄だと周りに言えなかったらしく、会社で「岡田くんって、イジリー岡田に似てるよね。名前も一緒だし」とか言われた時に「へえ、そっすか?」って流してたらしいです。最終的にはバレたらしいんですけど。
あの、裸エプロンのコーナーって実際、下着履いてなかったんですか?
はい、マジで履いてませんでしたよ。
つまり、イジリーさんからは……?
全部丸見えでしたね。
こう、出演者の瞳ちゃんが高い所から調味料を取ろうとするじゃないですか?
で、カメラは後ろから撮るんで、僕の肩がその部分にかかってちょうどギリギリで見えないように…とか色々やるんですけど、とにかくギリギリまでやるのでリハーサルが大変なんですよ。毎回3回くらい、タイミングとかカメラの位置とか確認して! だから「見えた! 嬉しい!」みたいな感覚はまったくないです。特に瞳ちゃんは全く台本を覚えないので、「頼むからちゃんとやってくれよ……!」っていう気持ちでいつもハラハラしてました。
そんな裏事情が……!
ちなみに、当時のテレビ東京って番組制作を外注する事が多かったんですけど、自社内でつくってた番組って当時は「演歌の花道」と「愛ラブSMAP!」と「ギルガメッシュないと」の3つだけだったんですよ! だからすごい力の入れようでしたよ。
いやほんと、「ギルガメ」はみんな見てましたよ。野球の合宿とか友達の家に泊まりに行ったりした時は、ギルガメがはじまるとみんなでテレビの前に陣取って全員で見てた。
それでオナニーするんですか?
さすがにシコりはじめるやつは「たまにいる」くらいだけど、まあ全員勃起してるよね。
それなら家で一人で見た方が良くないですか……?
だって、自分の部屋にテレビが無いやつとか居たからね。だからそういうやつは友達の家でギルガメを見て脳裏と網膜に焼き付けて帰って、思い出しながらシコるのよ。
AVでも、ギルガメに出てた女優さんの作品の人気がやっぱりすごかった。
でしょう。氷高小夜さんとか憂木瞳さんとか、鬼のようにシコったな……。僕、ショートカットでスレンダーでガーターベルトって感じが最高に好きなんですけど、それなんか完全に氷高小夜さんの影響でいまでも引きずってますもんね。
じゃあ、AVも見てたんですね
そうそう。とは言えまだ中学生だから、そんなにたくさん流通してるわけではないのよ。部活の先輩から受け継いだエロビデオをみんなで貸し合ったりしてね。もう色んな人の手を渡って来るからテープが劣化して画質がひどかったりする。なんか、当時の思い出だと「AV」じゃなくて「エロビデオ」って言いたいな。この気持ちはなんだろう。
河原で拾ったりね!
そう! 公園でVHSのテープが落ちてたから「これはエッチなビデオに違いない!」って持って帰って再生したらマニアック過ぎるヤバいビデオでね。「うわー!」って思ってまた公園に捨てたんだけど、次の日学校に行ったら別の友達が「いやー、昨日公園でヤバいビデオを拾ってさ……」とか言ってて「あ! それ! 俺が捨てたやつ!」みたいな。それくらいみんなエロに飢えてた。
そんなに飢えてるならビデオ屋で借りればいいじゃないですか。
お前は本物のバカだな。当時は中学生だから、さすがに大手のビデオ屋は貸してくれないのよ。だから「いかにしてエロビデオを入手するか」っていうのは総合力を問われたよね。「貸し借りできる友達がいる」っていう横の繋がりと、「飽きたエロビデオをくれる先輩がいる」っていう縦の繋がり、中学生相手でも貸してくれるビデオ屋を探してくる情報収集能力、あとは見つけたビデオ屋で堂々と借りる度胸や、親父や兄貴の部屋からエロビデオを入手できるっていう育ちの良さとかもある。太平洋戦争時のスパイみたいなもんだよ。ハンパなやつにはハンパなエロビデオしかまわってこないんだから。
よくわからない世界観だな……。
あと、この頃にブルセラブームが来ましたよね。
あー、あった!
ブルセラ?
ブルマ&セーラー服の略なんだけど、当時の女子高生が、使用済のブルマとかパンツとか、そういうのをブルセラ屋に売るんですよ。それが社会問題になった。
それを男性が買うって事ですか?
そうそう!ブルマと、履いてた女の子のポラロイド写真がセットになって売ってた!あのシステム、今思えば野菜に「私がつくりました」って農家のおじさんの写真が貼ってあるのと同じシステムだよね。
あれと一緒にしたら農家の人に殴られますよ。
1990年代前半ごろに「お菓子系雑誌」が流行ったんですよね。「Cream」とか「ホイップ」とか。エロ的にはそこまで過激ではないんだけど、高校生のセーラー服グラビアとかがたくさん載ってて。あの影響でブルセラブームが来たんじゃないかっていう。あと、ギルガメのヒットを受けて、地上波のエロ番組が増えます。
ハケ水車とかね!
ハケ水車?
女性が並んで首から上だけ出てて下半身は見えないんだけど、見えない部分でハケがついた水車がグルグルまわってて、そのハケが股間に当たるのよね。で、「誰がハケ水車があたってるかを当てる」っていうクイズ。最初はわかりづらかったんだけど、だんだん過激になってハケの数が増えるわパワーが増すわ水は出るわで一目瞭然っていうくらいにわかりやすくなってクイズが全然成立してなかったなあ。
大晦日に野球拳の番組やってましたよね。じゃんけんで負けたらばんばん脱ぐやつ。紅白の裏でダウンタウンが司会で。普通に素人の女の人達を集めてやるんだけど、おっぱい見えてる人が普通に居て。更にその裏番組で「明石家サンタ」が大晦日特別版みたいなのやってて「今、ちょうど僕の彼女が野球拳で脱ぎました」って言った人が速攻で合格の鐘鳴らされてたの覚えてる。それを大晦日にやるんやで……?
いやー、おおらかな時代でしたね……。
今だと絶対放送出来ないですね。
あとは「ロバの耳そうじ(1994年)」とか「ミニスカポリス(1996年)」なんかもあって地上波エロ全盛って感じですね。ただ、1998年には「ギルガメ」が終了して地上波のエロスがタブー視されはじめます。ギルガメが終わったのって、やっぱり抗議がすごかったから……?
そうですね。視聴率はずっと良かったので。当時、バタフライナイフを持ち歩く子供がいるとかで少年犯罪が問題視されて、テレビが悪者にされちゃったんですよね。僕は今でも「絶対関係ないだろ」って思ってますけど。むしろ逆なんじゃないか、って。世の中からエッチなものを無くしちゃったら、逆に発散できなくなって良くないですよ。
エロスが内に篭っちゃいますよね。この辺からインターネットが少しずつ普及しはじめましたし、ネットならもっとヤバくて過激なものがいくらでもあるじゃないですか。地上波の明るいエロを遮断する事でそっちに流れたら本末転倒だし。
エロスへの欲求はどうしても防げないしね。当時は「みんなで見るもの」だったのが「ひとりで見るもの」に変わっちゃった。今はみんなスマホで見るんだろうし、「あれ、めっちゃヌケるぜ!」とかそういう時代ではなくなってるのかも。
その考察は示唆に富みますね……。たしかに、「みんなで明るく」みたいな感じじゃなく、「ひとりでこっそり」に変わった気がする。
たしかに。僕は物心ついた時にはいわゆるガラケーでエロ動画のサンプル見て抜いてましたね。
やっぱり地上波でもう一回ギルガメをやるべきなんじゃないか。「ウチはどれだけ抗議が来ても絶対スポンサーはおりないぞ!」っていう腹の座ったスポンサーを探して。
いや絶対無理でしょ。
AV業界にバブル到来
本当に話題が尽きない。さてさて、そんな風に地上波エロスは壊滅状態になるんですけど、その代わりにAV業界が元気になります!そのターニングポイントになった、とも言って良い方に今日はお越し頂きました!
じゃん! 森下くるみさんです!
うおー! すげえ! 本物だーーーー!!!!!!!!!!!!
いや本当に、当時は色んな意味でお世話になりました……!
あっ、ズルい!
今でもお綺麗で、当時と全然変わってないですね……!
へへへ。前髪をつくってきたからかな?
可愛い……♡
二村監督もお久しぶりです。
いやー、お元気ですか? 本当にお変わりないですね!
いやー、こんな大スターに会えるなんて……。どうしよう、緊張する……!
僕もですよ……! 緊張して何を話せばいいのかわからない……!
あの〜〜〜、すみません。大変恐縮なんですが…
どなたですか……?
おい、殺すぞ。
レジェンドに向かってなんてことを言うんだ!
じゃあ、改めて……、
森下くるみ(38)
元AV女優。1998年に当時インディーズメーカーSOFT ON DEMAND(SOD)と専属契約を結んでデビュー。爆発的な人気を集め、出演作が売れまくった。SODが今の地位にあるのはこの方のおかげと言っても過言ではない。現在では文筆家として活動、結婚して一児の母でもある。
TwitterのIDは@morikuru_info
えとね、当時のAVってレンタルビデオで借りるのが主流だったんだけど、セルビデオって言って書店とかで売るタイプのAVが爆発的に売れてめっちゃ儲かったんですよ。そのハシリが森下さんの作品!
レンタルビデオは日本ビデオ倫理協会、通称「ビデ倫」っていう団体の審査を受けた作品を取り扱ってたんですけど、インディーズビデオのメーカーはその「ビデ倫」に加入してなくて、書店の販売なんかで流通したんですよ。で、なんでそれが売れたかって言うと要するにモザイクが薄かったんですよね。
そう! 当時のレンタルビデオはモザイクがデカかった!
まあ、そのインディーズメーカーの作品がバカ売れしたおかげで、結局ビデ倫の作品もどんどんモザイクが薄くなるんだけど。
で、森下さんはそのセルビデオブームの火付け役になったレジェンドなんですよ。今のSODは森下さんあってのものって言っても過言ではないと思うし、森下さんがいなかったら紗倉まなちゃんだっていなかったかもしれない。おい。お礼言っておけよ。
なるほど。ありがとうございます。
当時はやっぱり、忙しかったですか……?
いや、それが実はそれほど…。契約上、撮影は月に1本だけだったので、あとは雑誌のグラビアの撮影、週末のサイン会、雑誌のコラムを書く仕事とインタビューくらいかな。仕事の入ってない日は映画館とか美術館行ったりして過ごしてました。
当時の女優さんは今の人達ほど忙しくなかったんだよね。
今はSNSがありますからね。手軽にアダルトコンテンツが手に入る時代だからこそ、マメにファンの方とコミュニケーションを取る必要があって、撮影以外でも努力してらっしゃる女優さんが多いですよね。私の時代は自ら発信するってことができなかったんですよ。だからファンレターに返事を書くとか、そういうことでコミュニケーションしてたなあ。現代とは女優としての在り方がぜんっぜん違います。
たしかに、今の女優さんのSNSを見てると、イベント出たり撮影会やったりサイン会やったりでめちゃくちゃ忙しそう。紗倉まなさんなんて本も出してますしね。そういえば、森下さんが売れたおかげでSODが自社ビル建てた、みたいな都市伝説を聞いた事があるんですけど、それって本当ですか?
いえいえ、さすがにそれは都市伝説ですね…! SODは普通に賃貸でしたから
でも、森下さんのヒットがあって勢いがついて、制作費がかかった変な作品いっぱいつくれたっていう側面はあると思う。SODは当時から先進的な会社で、ビデオに「どんな作品が観たいですか?」っていうアンケートのハガキを入れてたんだよね。それってレンタルのビデオだと出来ない事だし、そうやって集まった意見を参考にして本当に作品をつくっちゃうんだよ。爆死した作品も多いけど。
そこから長瀬愛さんとか堤さやかさんとか、「キカタン(=企画単体女優)」って呼ばれる女優さん達が出てきて作品が売れまくって、セルビデオの絶頂期を迎えるんですよね。
そうそう!VHSからDVDになって、かさばらなくなったのも大きいでしょうね。VHSのビデオなんて何本もあると邪魔だから。あの頃は本当に忙しかった……!
あの頃は「とにかく数をつくれ!」って言われて作品を撮りまくったんだよ。下手すると1日に3本とか。なんでそれをするかって言うと、たくさん新作をつくると、そのぶんだけ書店の棚の数が増えるんだよね。
おー、なるほど。賢い。
コンビニの飲料と同じで、やっぱり棚を占める割合が売り上げに直結するから、とにかく作品をつくって書店にガンガンおろして棚を増やすんだよね。そうやって稼ぎまくってたのがあの時代。
ちなみに、僕らはこれまでひたすら「何で抜いてたか」みたいなどうしようもない話ばっかりしてるんですけど、森下さんは昔、どういうものをオカズにしてました……?
うーんそうですね。ジャンプの黄金期世代なもんで、やおい本かな。幽☆遊☆白書のBL本を見てました……。
なるほど。実に参考になります。
何の?
インターネットがエロスにもたらした功罪
で、その後2003年くらいからADSL、いわゆる高速インターネットが普及しはじめて、エロ本の時代が完全に終わります。2004年には雑誌のデラべっぴんが休刊になったり、女子高生のエロ本と言われた「エルティーン」も休刊になったり。僕も正直この辺になるともっぱらインターネットで、エロ本なんて見向きもしなくなりましたね。
あれは大きいよね……。エロ本って、実はサブカルを支えてた側面もあると思うんだよね。エロだけじゃなくて、普通の企画のコーナーとかもけっこうあったから。今でもエロ本はあるけど、今のエロ本はメーカーからもらったサンプルを紹介して詰め込んでるだけの作品カタログみたいなやつばっかりだもん。
そういえばアニメ誌以外で、最初にエヴァンゲリオンを大々的に取り上げたのもデラべっぴんですもんね。
ちょっとAVに話題が偏っちゃいましたけど、ゴトウさん的にオタクのエロカルチャーはどうだったんですか?
わーすごーい!こんなのまだ残ってるんですね!
ただ僕はMac派だったからあんまりエロゲーはやってないんだけど、派生したアニメとか同人誌はたくさん見ましたね、Windows95から「同級生2」がバカ売れしたり、「Kanon」とか「AIR」が出て「泣けるエロゲー」みたいなジャンルが出来たりで、長瀬愛ちゃんが活躍していた頃はエロゲー業界も盛り上がってた気がするんですよ。
今はなかなか売れなくて大変みたいですね……。同人系は盛り上がってるっぽいけど……。
いわゆるエロゲではないですけど、脱衣麻雀なんかもゲームセンターでまったく見ないですしね。スーパーリアル麻雀PIIIに当時、どれだけ精子とお金を吸われたか…。
100円入れたらいきなり天和が出て10秒で終わったりね。ブルセラショップも全然見なくなったしな……。
私がサイン会でビデオショップをまわっていた頃は、お店の一番奥に素人が売り飛ばした下着が商品で置いてありましたよ。本物の証拠に袋の表にポラロイドが貼ってあって、3000円くらいだったかな。
そういうのもお店を介してじゃなく、ネットで直接買ったりするんだろうね。そういう意味では、インターネットが出てきてからずっと景気が悪かったエロ業界も、最近はVRのAVが売れて盛り返してきてるんだよね。
エロゲも3Dものが売れたりしましたね。
なるほどな~。あと、ネットの普及のせいでエロコンテンツを大量に、安易に消費されてるって側面があると思うんですけど、一方で昔お世話になった人の作品が今でもFANZAとかで買えるのはめちゃくちゃありがたい。なんとかコンテンツつくってる人たちに還元できる仕組みが整えばいいけど……。だって、今回の記事でも証明されてる通り、エロ話ってやっぱり最高に楽しいから……。
そうですね……。
ちなみに、かまどは普段何で抜いてるの?
すいません、つい無料のサンプルとかでサクッと抜いちゃいますね。
あのね、助走は長く取った方が高く跳べるってあれ、本当だからね。例えば中学生の頃、ギルガメで綺麗な女優さんを見つけて、「この人でシコりたい!」って思ったとしてね。そこから作品を持ってる友達、先輩がいないか探したり、レンタルビデオ屋も店番のタイミングで「ゆるい人」と「厳しい人」が居るからその「ゆるい人」が店番やってるタイミングを狙ったりしてね。作品の入手に1週間かかったりするのよ。しかもその後は親との闘いでしょ。「今週水曜日、学校から帰って、母親がパートから帰って来るまでの1時間が勝負だな……!」みたいなね。一回のオナニーに賭ける情熱がかまどとは全然違うんよ。
そうそう。「くりいむレモン」からの歴史を辿ったりね。「くりいむレモン」はあの庵野秀明監督が作品に関わってたりするってちゃんとわかってる?「加奈」とか出た時には、「妹と言えばくりいむレモン第1作『媚・妹・Baby』を思い出すが…」とかね、そういう、過去の歴史と作品を見ておくことで、新しい作品に対する造詣が深まるっていうのはあるよね。目に映ったものでとりあえず抜くっていうのはちょっと浅すぎるよ。
本当に皆さんのおっしゃる通りでね、例えば「エッチな妹がお兄ちゃんを犯しちゃう」みたいな作品を、おそらく実写では僕が初めて撮ったんだけど、それもやっぱり色んな作品に触れる事でヒントを得ているからなんだよね。僕は永井豪の「キューティハニー」で「強い女性」の魅力を知ったんだよ。手塚治虫作品の変態性とかもすごく参考になったし。そうやって「広さ」みたいなものを獲得していくのが大事。かまどくんにはオナニーに対する情熱と、深さと、広さが足りてないよね。
いや、すいません。
この3人のおじさんはかまどさんに親を殺されたんですか?
そんなわけで平成のエロコンテンツ座談会、いかがだったでしょうか。
今回振り返った内容は、あくまで僕やゴトウさん、二村さんの思い出でしかなく、全員が全員そうだったと言うつもりはありません。
10人いれば10人のエロ歴史があるはずで、平成最後の年に、お酒での飲みながら「あの時はああだったな~」みたいな話をするといいかもしれません。
ちなみに当時お世話になっていた作品は、FANZAで検索かけるとけっこう出てきたりするので、「あの人の作品あるかな……?」みたいに一度、探してみてもいいかも!
新しい時代のエロス、楽しみだな~~~~!
DMM.R18はFANZAへ!
平成がもうすぐ終わり元号が新しくなるわけですが、今までお世話になったDMM.R18もこの夏から「FANZA(ファンザ)」という新しいブランド名になりました!FANZAには「人間の持つ様々なファンタジー、妄想、幻想を、AからZまで取り揃え提供していく場所」という意味が込められているそう!
あんなエロからこんなエロまで、エロいものがなんでも詰まってるところってことね!!
今回はFANZAとのタイアップ企画でプレゼントもご用意!
この記事をハッシュタグ「#FANZAになりました」付きでシェアしてくれた方の中から、3名様にVRヘッドセット「Oculus Go(32GB)」をプレゼントします。
ツイートして応募する もちろんFANZAは「Oculus Go」に完全対応! これを装着して新時代のエロを体験しよう!!詳しいキャンペーン内容はこちら
この記事どう思う?
4件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:2373)
オナニーにまでケチを付けられる時代
CKS
昔はTVでおっぱい出てたってのを中学生くらいで初めて知って最初信じられなかったの思い出した
匿名ハッコウくん(ID:2370)
現代の男に草食系が多いのは、「楽に手に入る」からなんだな。
かまど見てたらそう思った。
その道筋を作ってきた昭和・平成のパイセンたちをリスペクトできる素晴らしい企画でした。
今では僕らもすっかりネット住民なんで、妄想力を鍛えないといかんなと思いましたw