バーチャルネットアイドルの始祖「ちゆ12歳」がYouTubeに降臨

心という字はおちんちんに似てる?【バーチャル日常メモ】

POPなポイントを3行で

  • ちゆ12歳がバーチャルYouTuber界に参入
  • バーチャルネットアイドルを生みだした人物
  • バーチャル芸歴17年!
日々、特徴的な新人が増え続けているバーチャルYouTuber界。そこにとんでもない大物が参入しました。

その名も「ちゆ12歳」。バーチャルYouTuberが誕生するはるか昔の2001年、バーチャルネットアイドルという概念を生みだした人物です。

バーチャルネットアイドルちゆ12歳…?

もはや説明の必要もないかもしれませんが、改めて順を追って紹介していきましょう。

1990年代後半から「テキストサイト」と呼ばれる個人サイトが大流行。SNSはおろかブログすらもなかった当時、"管理人"がサーバーをそれぞれ借り受け、嘘か本当かわからないような話を日記のような形態で掲載していました。

代表的なサイトとしては、中国が生んだとされるロボット"先行者"で一世を風靡した「侍魂」、"出会い系サイトと対決する"などエロネタに強かった「Numeri」。そして少し後になって写真やゆるいイラストなどで人気を博したヨシナガさんの「僕の見た秩序。」などが挙げられます。

とにかく、さまざまなサイトが運営されており、それぞれが網の目のように相互リンクを張っていたこともあり、より過激な物語を求めて刺激的な語り手のいるサイトを多くのユーザーたちは巡回していました。

ちゆ12歳/画像はバーチャルネットアイドルちゆ12歳より

そして、そんなテキストサイトブームに風穴を開けたのが「バーチャルネットアイドル ちゆ12歳」です。

"バーチャルネットアイドルのちゆ自身が管理人"という体裁をとることで、それまでの顔出しすらほとんどしていなかったテキストサイトの管理人とは一線を画した存在となり、しかも扱っているネタはコアなオタク好みなもの──漫画やアニメ、特撮などのニュースが多く、造詣の深さからもあっという間に大手サイトに登りつめました。

それもあって、「ちゆ12歳」フォロワーとも言えるサイトが乱立。「777's Loop Light's Loom」「ウロンのひとりごと」「米」などのサイトが登場し、バーチャルネットアイドル四天王と呼ばれていました。わぁ、まるでどこかのバーチャルYouTuberみたいだ。

余談ですが筆者は「Cafeにちようび」が好きでした…(現在は閉鎖)。

単行本『バーチャルネットアイドル ちゆ12歳』

そして、「ちゆ12歳」は『二次元ドリームマガジン』『ネットランナー』など実際の雑誌にも連載を持つなど八面六臂の大活躍。単著も刊行していたほどといえば、その人気が伝わるでしょうか。

バーチャルネットアイドルとは何か?

それでは、バーチャルネットアイドルとは何か? についても話しておきましょう。

「ちゆ12歳」が生みだしたバーチャルネットアイドルは、彼女自身によって「バーチャルアイドルとネットアイドルのあいの子」と定義されています(外部リンク)。

バーチャルアイドルは、1994年に発売された『ときめきメモリアル』などに代表されるような美少女キャラクターたちのように実在しない架空のアイドル。ネットアイドルはその名の通り、ネット上を主な活動の場とするアイドルのことです。

つまり、バーチャルネットアイドルとは「ネット上を主な活動の場とする実在しない架空のアイドル」。いずれも「ちゆ12歳」が誕生する前から知名度を上げてきてはいましたが、合わせて体系化されたことで、革新的な影響をもたらしました。

バーチャル芸歴17年

めちゃくちゃ長くなってしまいましたが、そうやって2000年代初頭にカリスマ的な影響力を誇っていたのが「ちゆ12歳」です。細分化された現在とは違い、当時のネットユーザーなら多かれ少なかれ誰しもが通る道といっても過言ではありませんでした。

そんなバーチャルネットアイドルの始祖がYouTuberに降臨。YouTubeにはいきなり7本もの動画が投下されています。

内容はかつての記事を動画化したもの。そのためハードコアだったりエロネタも多めですが、インターネット古参兵としては郷愁で涙を禁じ得ない。
アニメ界の小室哲哉・幾原邦彦監督
しかも、幾原邦彦監督回のように記事執筆当時はまだ存在しなかった『ユリ熊嵐』への言及もされるなど、今アップロードするための編集も自然な形で加えられており、見返す価値は充分。動画でも毒と応援をまき散らしてます。

更新されたサイトではのじゃロリさんことねこますさん風になったちゆ12歳も/バーチャルネットアイドルちゆ12歳のスクリーンショット

なお、YouTubeチャンネルの開設と同時にサイトも更新。「生存報告」と題し、「バーチャルユーチューバーちゆ12歳」として活動する発表を行っているほか、もともと過去の記事の動画化を行う予定だったことを告白しています。

実際、バーチャルYouTuberが流行った時、筆者も「HIKAKINとキズナアイ」「侍魂とちゆ12歳」に相似を感じていましたが、まさかここまで自然な形で復活するとは……。

これにはバーチャルYouTuberたちも反応。 ちなみにですが、"元祖アキバ系女王"モモーイこと桃井はる子さんも過去のちゆ12歳コスプレを公開し、歓喜している様子…! モモーイといえば雑誌『ネットランナー』から生まれたOVA『ねとらん者 THE MOVIE』でちゆ12歳を演じています。同作はひろゆきさんやモナー、侍魂の健さんなど当時のインターネットぎっしりと詰め込まれているのですが……、そろそろ本当にキリがなくなってくるので今回はこの辺で締めたいと思います。

バーチャルYouTuber界、混沌としてきたぞ!

この記事どう思う?

この記事どう思う?

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。