「ガルパン」聖地、大洗の町おこしが成功し続けている理由とは?

  • 0
「ガルパン」聖地、大洗の町おこしが成功し続けている理由とは?
「ガルパン」聖地、大洗の町おこしが成功し続けている理由とは?

Togetterより

アニメの舞台となっている場所に足を運び楽しむことは、「聖地巡礼」と呼ばれています。埼玉県にある鷲宮神社は「らき☆すた」の聖地、秋葉原の電気街は『STEINS;GATE』などが有名かと思います。その〝聖地〟にたくさんのファンが押し寄せるため、場所によっては地域ぐるみで町おこしを行っているのですが、とりあえずタイアップを行う名だけの企画もあり、成功ばかりではありません。

その聖地の中でも『ガールズ&パンツァー』は、茨城県大洗町が舞台となっています。今まであまり目立つような観光地も無かった大洗の町が、2012年秋にガルパンが放送されてから非常に活性化しています。編集部も、2013年11月17日(日)に開催された大洗町の一大イベント「あんこう祭」に参加し、今年も『ガールズ&パンツァー』を大々的にフィーチャーしている様子を取材してきたばかりです。

参考記事

西住みほが2次元コンパニオンに!? ガルパンと三菱自動車がコラボ

町おこしに失敗してしまった聖地に比べて、定期的にイベントも開催されているこの大洗町は、どうしてこんなにも成功しているのでしょうか。このことについて考察した一連のツイートがTogetterに「ガルパン聖地、大洗が成功した理由」まとめられ最近話題になっていました。ガルパン・大洗町が成功した理由とは? 興味深い指摘がいくつもありました。そこで議論されていたことは、主に、招致する側の態度についてでした。

店頭にPOPを置くだけでは効果がない。むしろそれを嫌とすれば再来店は見込めない。
店頭にPOPを置くだけでは集客効果は薄く、町おこしに協力的でないと再来店は難しい。
パネルに愛着が湧き、パネルの効果を最大限に活用して町おこしに非常に協力的になる。
店内でお客さんを待っていた現地の方々が今では店頭に立ち、声をかけるようになった。

どこまで本気で町おこしをやりたいのか

アニメで町おこしに失敗している企画者の声をいくつか調べたところ、総じて「POPやポスターを置いて、グッズを作ったのに……」と話しています。これらはアニメの人気に頼りっぱなしの受動的な運営であり、企画側(運営サイド)が初めだけ力を入れて後は投げっぱなしということになります。

しかし、ガルパンに関してはここが違いました。上記の運営に加え、町の人が積極的にファンの方と関わろうとしたのです。ある方は 『大洗に繰り返し行ってる人の最大の目的は「商店街の皆さんと世間話をする」であって、別にパネル見る為に何度も行ってる訳じゃないというのはもうちょっと知られるべき』と仰っています。一緒に話すことによって聖地に来た=アニメと同じ場所に来て満足ということだけではなく、聖地という素敵な場所に住んでいる人々と話した=聖地(にいる人)と同じ目線になれるということでファンの満足度が上がり、リピートに繋がっているのではないでしょうか。

大洗では、店先にキャラクターのパネルを設置しています。その際に、わざわざ説明会を開き「積極的に話し掛けてほしい」とお店に対して話したそうです。これは、アニメの知名度だけで町おこしをしているのではなく、町全体、お店の一人ひとりが自主的に動いていると考えられます。このように、町おこしに必要な行動方法を指示を出来る人がいた事が、成功につながっていったのでしょう。

ここまでを踏まえて

今後もアニメとタイアップして町おこしをする聖地が増えてくると思いますが、同時に心配事も増えていきます。上記のTogetterでは参加するファン側については触れられていませんでしたが、しばしば指摘されることとして、聖地巡礼熱が高まり、そのファンの方がそこで迷惑行為を働き、常連客や周りに迷惑をかけるということがあります。

聖地に行くとしても、常識を持って巡礼してほしいと思います。当たり前のことだと思うかもしれませんが、その当たり前のことが守れていなければ、そもそも現地の方々が、ファンを積極的に受け入れようとする気持ちも薄れてしまうでしょう。現地の方々だけではなく、ファンも共に楽しみ、自分たちを快く迎え入れてくれる方々への感謝の気持ちを持って訪れることで、大洗のような良好な事例ができていくのかもしれません。

筆者自身も何度か聖地巡礼をしたことはありますが、もう一度また行きたい・誰かにおすすめしたいと思った聖地は本当に少ないです。ただ金儲けの匂いがしたり、ただただアニメに乗っかっているという雰囲気を察してしまうからです。ですが、大洗に行ったときはファンだけでなくそこにいる人みんなが楽しそうにしていました。こうやって地域の方々も一緒に楽しんでいるということも、私たちファンが無意識に必要としている楽しむための1つの理由なのではないかと思います。そしてそれが今でも成功している理由の1つでもあるのではないでしょうか。

執筆者:ぴの
この記事どう思う?

この記事どう思う?

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。