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  • 2023.05.18

VTuberが“香水“をグッズに選ぶ理由──推し活エコノミーの消費傾向

『週刊VTuber経済ニュース』。推しグッズの広がり、コマース領域の拡大について分析。

VTuberが“香水“をグッズに選ぶ理由──推し活エコノミーの消費傾向

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この記事の制作者たち

バーチャルYouTuber(VTuber)関連トピックを毎週ピックアップし、よりPOPに、より深く掘り下げていく『週刊VTuber経済ニュース』。

第10回は、VTuberの推し香水をはじめグッズ販売、そしてその経済動向について解説していく。

目次

  1. 広がる推しグッズ──「推し香水」とは?
  2. VTuberと推し香水
  3. 推し×匂いの販売事例は他にも
  4. いかにしてファンを獲得し、コミュニティを醸成するか──推しの経済圏
  5. にじさんじは女性の方が──? 男女の推し活傾向調査
  6. ANYCOLOR、カバーにおいても、グッズを含むコマース領域が他分野を凌駕

広がる推しグッズ──「推し香水」とは?

VTuberグッズ専門店(V-MANI、閉店済)に陳列されたVTuberの香水/筆者撮影。

「推し香水」というワードをご存知だろうか

昨今、VTuberに限らずキャラクター文化においては、推しをイメージして匂いを配合した香水、いわゆる「推し香水」というものが誕生している

推し香水は、キャラクターの特徴や印象にあった匂い、香料に関する情報とキャラクターとの共通性などを楽しむもの。香水を自らにつけて推しを「纏う」ことや、部屋に振りまくことで推しの「存在感」を感じることのできるアイテムとして認知を広めている。

オリジナルの香水をつくれる店舗も増加しており、推し香水がオフィシャルグッズとして販売もされるようにもなった。いわゆる「推し活」の隆盛と共に、推し香水シーンも定着しつつある。

日本経済新聞は「アロマキャンドルなどを使い、自宅の中で香りを楽しむ人が増えている」と報道

調査会社の富士経済は2023年の国内フレグランスの市場規模を22年比108.6%増の482億円と見込んでいる。香水に限らず、フレグランス業界が盛り上がりつつあるようだ。

VTuberと推し香水

オンラインでオリジナルの推し香水をつくれるサービスも登場しており、yousual(ユージュアル)株式会社が手がける注文サイト・Scentlyはオーダーシートにイメージしている推しについて記入し、料金を払うことで推し香水を受け取れるようになっている。

Scentlyは、プロプロ株式会社に所属するVTuberである甘ノ星ちろるさん(プロプロプロダクション所属)、火乃鳥めらさん(プロプロゲーマーズ所属)、猟奇ちゃきさん(めるれっと)という3名のイメージ香水を2023年夏に販売開始することを5月に発表した。

先述した独自システムであるオーダーシートと、彼女らの活動の中心であるライブ配信を組み合わせて、ファンとともに似合いそうな香りを決める企画や特典グッズを提供する模様だ。

【#Scently】ちろる香水販売‼️✨匂いフェチVtuber動きます。

推し×匂いの販売事例は他にも

国内大手VTuber事務所・にじさんじでも、かねてより香水をグッズとして提供している。

ABEMAの販売サイトやにじさんじを運営するのANYCOLOR自社のオフィシャルストアで、メンバーにちなんだ香水を販売。

この5月にも、英語圏を中心に展開するNIJISANJI ENの2周年記念グッズとして、練り香水を発売開始

各香水はメンバー自身が香りをカスタマイズしたプロデュースを行っており、香水のラベルなどの色でメンバーをイメージしているだけでなく、メンバーらしい香りのする香水が制作されている。

香水は、グッズとして提供して完結させるに止まらず、VTuberとのコラボにおいては配信コンテンツに有機的に繋げることができるのも強みだ。

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