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  • 2020.05.02

遊戯王もお笑いも「後攻の美学」がある──「遊戯王」前編

いまテレビで引っ張りだことなっているお笑いコンビ・宮下草薙。そのツッコミ担当である宮下兼史鷹が、超がつくほどの「おもちゃ狂」であることはあまり知られていない。編集部も圧倒された宮下のおもちゃ愛と知識、そこに垣間見える芸人としての日常を語り下ろす。

遊戯王もお笑いも「後攻の美学」がある──「遊戯王」前編

お笑いコンビ宮下草薙の宮下兼史鷹。有名おもちゃ店でのアルバイト経験があり、「バトルトイ・グランドマスター」をはじめ12個の称号を持つほどの無類の“おもちゃ狂”だ。さまざまなおもちゃのトリッキーな遊び方を発信するYouTubeチャンネルも開設している。

KAI-YOU Premiumでは、宮下に毎回1つのおもちゃを取り上げ語ってもらう、語り下ろし連載をスタート。宮下と相方である草薙のやりとりのなかで頻発する「バトル」という言葉。とことんマニアックなおもちゃ話から、生粋のおもちゃ好きとして、またお笑い芸人としての、日々の闘いが垣間見える。第1回のおもちゃは「遊戯王」。

取材・執筆:ヒラギノ游ゴ 企画・編集:和田拓也 素材提供:宮下兼史鷹、太田プロダクション

目次

  1. ベイブレードだけで1ヶ月に100万円売り上げる
  2. なぜMtGではなく遊戯王か
  3. 遊戯王でもお笑いでも、後ろから刺す

ベイブレードだけで1ヶ月に100万円売り上げる

僕はつい最近「バトルトイ・グランドマスター」と名乗ってYouTubeチャンネルを開設したんですが、これは実際に僕に与えられた称号です。

今みたいにテレビに出させていただくようになる前、地元群馬の中古おもちゃ屋でアルバイトをしていました。マニアの間ではけっこう有名で、全国からお客さんが通ってくるようなお店でした。

そこでは「マスター制度」というものがあって、例えばカードゲームや仮面ライダーなど、各ジャンルのおもちゃの知識が完璧に頭に入ると「◯◯マスター」という肩書がもらえて、売り場を任せてもらうことができます。だいたい1人につき1ジャンルのマスター称号が与えられるんですが、僕は12個くらい、ほぼすべてのジャンルでマスターとして認めてもらって、とる称号がなくなるまでになってしまいました。

そんなある日、店内で雑然と山積みにされていたベイブレードの在庫を見ていたら、けっこうレアなものがたくさんあることに気づいて、1つ1つ梱包しなおして、しっかり売り場を作ってみたんです。そしたらベイブレードだけで1ヶ月に100万円くらいの売り上げを叩き出してしまいました。その成果に対するご褒美として店長が僕のために作ってくれた新たな称号が、「バトルトイ・グランドマスター」でした。「芸人にしとくのは惜しい」と言ってもらえ、称号があるぶん昇給して社員さんと同じくらいお給料ももらっていました。駆け出しの芸人には本当にありがたかったです。今でも休みの日に地元へ帰るとお店に顔を出して、ちょっと働いてきたりします。

なぜMtGではなく遊戯王か

この称号の通り、僕はおもちゃの中でも特にバトル要素のあるものが好きで、この連載では毎回1つのおもちゃを取り上げてご紹介させてもらいます。

今回は初回ということで迷ったんですが、まずは「遊戯王OCG(オフィシャルカードゲーム)」について話させてください! ちょっと言えないくらい大きなお仕事を断ってでも大会に出るくらい、僕はこのカードゲームに人生を捧げてます。

知ってます? 遊戯王、今すごいことになってるんですよ。

※この記事は期間限定でプレミアムユーザー以外にも開放されています。

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遊戯王でもお笑いでも、後ろから刺す