Interview

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  • 2019.05.04

絶対に揺るがない、音楽をつくる理由

クリエイターが語る、他のクリエイターの才能とその技法。

そして「どこまでこだわるか、それがどこまで理解されるか」というクリエイティブにおけるジレンマにどう向き合うべきなのか。

絶対に揺るがない、音楽をつくる理由

(左)田中秀和さん(右)大石昌良さん

大石昌良(オーイシマサヨシ)と田中秀和。

アニソン界のトップランナー同士の初対談、初回はその出会いから田中秀和がMONACAに所属した経緯、さらにクリエイターの機材トレンドやクリエイターを目指す一つの定石までが語られた。

第2回では、それぞれの音楽性や得意なコード、2人の制作への信念が語られ、話はさらに加速する。

トップを走る2人が感じるアニソンのトレンドとは?

ホスト:大石昌良 ゲスト:田中秀和 取材・執筆:オグマフミヤ 撮影:稲垣謙一 編集:新見直 協力:MONACA

目次

  1. アニソン界にその名を馳せる田中秀和の必殺技
  2. 「ようこそジャパリパークへ」のヒットが生み出した意識の変化
  3. みんなが美味しいと感じる曲

アニソン界にその名を馳せる田中秀和の必殺技

──田中さんは神戸大学の発達科学部人間表現学科を卒業されていますが、音楽理論は大学で学ばれたのでしょうか?

田中 一応芸術系の学科ではありましたが、音楽理論は独学がほとんどです。ですが教授をはじめ実際に教えてくれる人達はクリエイターだったので、芸術に対する考え方や制作に対する姿勢は、大学で学んだことが大きいと思います。

大石 独学ってすごいなぁ。

「田中秀和はすごい」というのは、この対談における僕の中でのテーマの一つなんです。

僕は作家もやっているけれど、それ一本ではない。アーティストとして歌も歌うし、なんならタレントとしてテレビに出たりと、色んな看板を掲げて皆さんに知ってもらってきたけど、田中くんはタレントではもちろんないし、アーティストもやってない。対談の写真を撮るってだけで固くなるほど作家一筋なのに、これだけアニソン界に名が轟いているということが本当に半端ない。実感はあるの?

田中 ありがたいことですが、あんまり自分ではちゃんと考えたことはないですね。

田中秀和

大石 田中くんがよく使うコードに「田中オーグメント」なんて名前まで付いてるじゃない。

コマネチとかモリスエみたいな、技に自分の名前がつくような状況。自分としてはどう受け止めているの?

※田中オーグメント:ブラックアダーコード、分数オーグメントと呼ばれるコードの一種で、田中秀和の楽曲の中では印象的に使われることが多いことから田中オーグメントとも呼ばれている。最近ネット上では「イキスギコード」などと呼ばれることも。

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