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米TOYOTAがミクを起用したイラスト

──公開直後から話題となりましたが、米TOYOTA「COROLLA」がイメージキャラクターに初音ミクを起用した「COROLLA+MIKU」、2011年の6月にはその書き下ろし第2弾のイラストレーターさんにざいんさんが選ばれました。どういう経緯だったんでしょうか?

ざいん まずクリプトンさん(クリプトン・フューチャー・メディア株式会社)から「大きなプロジェクトがあるので一度ちゃんと電話で話したい」という連絡をいただいて、「COROLLA+MIKU」の話を知りました。ビックリしました! TOYOTAさんにmikumixさんでのミクの絵を気に入ってもらえて、それが選んでもらったきっかけになったんだそうです。

※第1弾は アメコミアーティストのアルヴィン・リーさん、第3弾は竹中さんがそれぞれミクを描き下ろしている
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ざいんさんの手がけた「COROLLA+MIKU」2枚目イラストがTOYOTAのサイトトップに掲載されていた

──実際にTOYOTAとはどういうやりとりをされたんですか?

ざいん クリプトンさんが間に入って、TOYOTAさんのメールを翻訳して送ってくださってました。

──この件に関しても、ざいんさんはあまり積極的に公言されていないですよね?

ざいん 一応Twitterで告知したりとかはしたんですが、あの絵もどこまで公開していいのかちょっとよくわからないところがあって(笑)。でも、反響は大きかったです。1枚目は雑誌広告やポスター用だったので、そもそもあまりネットに画像自体が上がらなかったんですよ。

自分としても1枚目はやや緊張してしまって大変だった部分がありました。ラフを7枚くらい描いたんですけど、「どれもいい感じなので持ち帰って会議にかけます」と言われたきり結構時間が空いて、結局その後「第1弾と構図を合わせる」ということでもう一度ラフ出して、みたいなこともありました。その分、2枚目のWeb用の絵は伸び伸び描けたかなと。

──海外からの反響はどうでしたか?

ざいん 海外の人にTwitterをフォローされることも増えて、deviantARTのアカウントも持っているので、そこにメールももらったりするようになりました。

──やはりミクには特別な思い入れがありますか?

ざいん 最近は忙しくてあまりチェックできていないんですけど、08年くらいには楽曲もよく聴いていました。ミクの生むあの文化自体が普通に好きでした。ミクというキャラクターも、デザインとしてはすごいヒットだと思うんですけど、自分はどちらかと言えば「初音ミク」というキャラクターよりも曲を作っていた人、P(プロデューサー)の方に興味がありました。

──Pと言えば9月21日に発売されたVOCALOIDコンピレーション・アルバム『Supernova6』ではジャケットを担当されていますが、同人文化と言うか、二次創作的な文化自体に魅力を感じるのでしょうか?

ざいん 小さい頃はオタクだったんです。でも中学や高校時代にはオタク文化は忘れて、興味の中心は美術・ファインアート系にあったんですけど、大学に入ってまたPCとかをいじるようになって、あっという間にインターネットの世界に引きずりこまれていきましたね(笑)。

インスピレーションの源

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ざいんさんの公式サイトのトップイラストにも使われている「kitchen」

──deviantARTでは、ミクが一番反響がありましたか?

ざいん いえ、実はアカウントを取得したのは結構前で、その時は今までのイラストを投稿していたんですけど、それがデイリーランキング的なものに入ってすごい反響でしたね。お気に入り数がいつの間にか1万にもなってて、ビックリした記憶があります。

──単純にユーザー数が日本のサービスとはケタ違いだからというのもあるかもしれませんが、ざいんさんの絵は、色使いも構図もどこか日本人離れしている印象があるので、deviantARTでも受け入れられやすいのかもしれません。

ざいん それも言われます。自分は海外のプロモーションビデオを見るのが好きで、海外の写真家の作品もよく見ます。フリッカーとかもすごい見てますけどね笑。やっぱり美大の頃は展示もよく見に行っていたので、そういう影響はあるのかもしれないですね。一番影響を受けたのは、ヴォルフガング・ティルマンスのAbstract Picturesというシリーズです。

他には、ウラジミール・コペッキーですね。知り合いにチェコのガラス作家を扱っている人がいて、その人に写真集をもらったのがきっかけです。すごい鮮やかな色使いなんですよ。

──ざいんさんのインスピレーションは、写真では構図よりも色使いにあるんでしょうか?

ざいん どうなんですかね……何から発想するんでしょうね。今まで撮った写真を見返したりしていると、「ああこういうの描こう」と思い立つ、みたいな感じですかね。自分でも写真を撮りますが、やっぱりそれも絵の資料用としてですね。

──海外の作家を参照されるざいんさんは、やはりゆくゆくは海外で活動してみたいという願望はありますか?

ざいん 海外からも反響はいただくのはありがたいことなんですが、やっぱり英語が難しいですよね(笑)。

──でも、本質的にはイラストであれば言葉も必要ないのではないでしょうか?

ざいん とは言え、やりとりがありますからね(笑)。去年に一度、イラストをオンラインで販売するフランスの「SirLondon Fine Boutique」から声がかかったことがあります。その時も間に日本人の翻訳の方が入っていたので何とかなったという感じでした。

星海社の『iKILL』シリーズ参加

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2011年10月14日に発売された、シリーズ2作目となる『iKILL 2.0』(星海社FICTIONS)のカバーイラスト ©株式会社 星海社/ざいん

──星海社運営のWebサイト「最前線」でも一部が公開されていますが、渡辺浩弐さんの『iKILL』シリーズのイラストを担当されていますよね。

ざいん 自分が聞いたのは、色々な候補があがった中で、太田克史さんが最終的に選んでくださったそうです。

──星海社さんのイラストレーター陣はかなり尖っていますよね。

ざいん すごいですよね。きぬてんさんのような若いイラストレーターさんも積極的に起用されていますし(小泉陽一朗著『ブレイク君コア』にて)。実は、有名な太田さんはもっと怖い感じの方だと思っていたんですが、すごい親切にしていただいてます。イラストレーターさんには優しいと自分でおっしゃっていました(笑)。
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2011年10月14日に発売された、シリーズ2作目となる『iKILL 2.0』(星海社FICTIONS)のカバーイラスト ©株式会社 星海社/ざいん

──ざいんさんにとっては、小説の表紙や挿絵を担当されるのは『iKILL』が初めてだそうですが、既に2巻を終えてみていかがですか?

ざいん 挿絵まで全てカラーのイラストだったので大変でした(笑)。けれど、小説を読むことは好きなので苦痛ではないし、渡辺さんの作品は読みやすい文体です。ただ、渡辺さん星海社さんとの初めてのお仕事ということもあって、ラフもかなり慎重に選びました。

中野ブロードウェイなどが小説の舞台になっているので、実際に自分と太田さん、アシスタントさんと一緒にブロードウェイにイラスト参考用の写真を撮りに行ったりもしました。

──小説にイラストをつけることは、自由にイラストを描くことと方法が異なるわけですが、やはりそれまで作風とは違い、キャラクターを意識されているんだろうと伝わりました。

ざいん そうですね、最初は、今よりもキャラクターの表情などがリアルな感じだったんですが、そこは話し合ってもう少しマンガっぽいデフォルメをしました。自分の手癖で描くと、どちらかと言うと特に顔とかがリアルなタッチになってしまうんですが、商業だとわりとキャラっぽい描写を要求されることが多いですね。
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©株式会社 星海社/ざいん

──「最前線」で最近公開されていた「カレンダー小説」企画でも渡辺さんとコラボされていた作品は、より雰囲気が変わっていましたよね?

※「カレンダー小説」の敬老の日の企画小説・渡辺浩弐著「親愛なるお母さまへ」は既にWeb上での公開は終了している

ざいん 『iKILL』とは全く別のお話だったので、あそこでは平面っぽい感じを意識しました。太田さんが「COROLLA+MIKU」を見て、「アニメっぽい塗りのキャラでやってみたらどうか?」という提案をいただいて挑戦したんです。

──ざいんさんの一点ものイラストよりもずっとキャラクター然とした感じでしたね。例えばざいんさんはマンガを描かれてみたいと思われることはありませんか?

ざいん マンガは難しいなっていう実感があるんです。かなり前に二次創作マンガは描いていたことがあるんですけど、相当難しかったです。一応同人誌としてやっていたんが、それ以来マンガは描いてないですね。ちなみに作品は「ブラック・ジャック」でした(笑)。

──それはざいんさん名義で活動されていたんですか?

ざいん いえ、「ナナ」を二次創作用の名前として使ってひっそりとやってましたね。イラスト単位では自分のpixivアカウントで投稿したりもするんです、この間も「よつばと!」を投稿しましたし。最近は二次創作をする時間もなくて、ほぼざいん名義での活動です。

──商業ではないオリジナル作品では、ブログやpixivなど、クールビューティな女性を描くのがお好きですよね。

ざいん 変な話、二次元だと男のキャラクターを好きになる場合が多いんですけど、実写だと女の人に惹かれてしまうんですよね。だから造形とかの問題なのかわからないですけど、自分で描く分には、女性の方が描きやすいんですよね。ツンツンした女性が多いのは、単純に好きなだけなんですけど(笑)。

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