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エッジでポップなハイブリッド──イラストレーター・ざいん インタビュー

©mikumix

同人やWeb上で活躍され、イラストレーター界隈でも屈指の実力を持つと評判のざいんさん。「mikumix」への投稿、2011年に入ってからは「最前線」やTOYOTAでのお仕事で注目を集めるざいんさんに迫るロングインタビュー!

※本インタビューは、2013年12月5日(木)から12月17日(火)まで開催中の個展「ストレンジャーズ・ピンク」にあわせて、リニューアル前の「KAI-YOU.net」にて2011年10月に公開した記事の再掲となります
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美術を出自に、商業・同人で活躍するイラストレーターに

──ざいんさんはイラストレーターさんの間では元々評価も高く有名でした。作品を拝見していて、独特な色使いが印象的ですが、どこかで美術を学ばれていたんですか?

ざいん 大学は多摩美(多摩美術大学のこと)の油絵科だったんです。高校は普通のところだったんですけど、美術の予備校に通っていたので美術にはずっと触れていました。絵を描くこと自体は子どもの時から好きでした。

意外とイラストレーターの界隈には多摩美と武蔵美の人が多いですよね。

──多摩美を卒業されて、腰を据えてイラストレーターとしてのお仕事をされているんですね。学校ではやはり「ざいんさん」としての活動とは全く違って美術、油絵だけを学ばれていたんですか?

ざいん そうですね、普通に学校の課題で全然違うものを描いていて、学生として展示などもやっていたんですが、イラストを描く方が楽しくなっちゃったんです。別に出版社に持ち込みとかはしてないんですけど、pixivがきっかけでチラホラと仕事のお話もいただけるようになりました。

──同時に、様々な同人企画にも以前から参加されていますよね?

ざいん ネットでもイベントでも段々顔見知りが増えていくので、それで繋がりが広がってゲストとして呼んでいただくことがあります。それは別に特別なことでもなく、たぶん普通の同人のやり方だとは思いますが。
ゲストとして同人誌『sailorbon』に寄稿した作品

ゲストとして同人誌『sailorbon』に寄稿した作品

──無粋な質問ですが、同人誌でゲストとしてご寄稿される場合、原稿料は出るんでしょうか?

ざいん たぶんほとんどの場合は出ないですね。献本と、ちょっとしたお菓子をもらったりとかその程度です(笑)。中には利益が出たら参加作家さんに還元するサークルさんもいらっしゃいますが、特にイラスト集とかだと、多くは全ページフルカラーのため、印刷代もけっこうかかりますよね? だからそもそも利益を出すのが難しいのかもしれませんね。

──ざいんさんがゲストではなくメンバーとして所属されているのは、虎硬さん主宰のイラスト同人サークル・百化だけですよね? 虎硬さんともpixivを通じて知り合ったのですか?

ざいん 虎硬さんとは、東京工芸大の卒業展で、虎硬さんと植草航さんの作品を見たくて遊びに行った時にお会いしました。たしか、お互い絵も見ていて認識はしていたんですけど、実際にお会いして話したのはそれが初めてでしたね。

──SNSの普及もあってか、イラストレーターさんは横の繋がりがかなり強いという印象があります。

ざいん そうですね。自分もよく話したり会う方はいます。『CANVAS2』でご一緒させていただいたタイキさんや、同じくまたよしさんには、去年主催された『きのこたけのこサラダボウル』に呼んでいただいたりもしました。

──またよしさんと言えば先日ガイナックスのTOPページイラストを描かれてましたね?

ざいん 見ました! ガイナックスのTOPには結構知る人ぞ知るコアなイラストレーターさんも描かれていることがあるので注目してます。

※2011年10月時点で、既にまたよしさんのイラストは見られなくなっているが、スタッフブログ「ガイナックス24時」にその時の更新情報が掲載されている。イラストは「ふしぎの海のナディア」の賞金稼ぎ一味の女ボス・グランディス

デジタルならではの魅力

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©mikumix

──イラストの世界に進まれたきっかけのようなものはありますか?

ざいん ないような気がします。最初はそんなに深刻に考えていなくて、こういう風に仕事をもらったり、なんていう目標もなかったので、本当に「いつの間にかここまで来てしまった」ような感覚です。

──ずっと絵を描き続けて今に至る、というわけなんですね。仰る通り、ざいんさんは営業とか活動宣伝に関して控え目な印象を持ちます。

ざいん 単純に性格的なことが大きいですね。振られれば色々やるつもりはあるんですけど、自分から前に出るのが苦手で、なかなか……。

──作業環境はご自宅ですか?

ざいん そうです。卒業してからは、自宅のジュエリーデザインの家業を手伝いながら絵を描いていますね。

──ジュエリーデザインなんですね! でも何となく納得という感じもします。家業がジュエリーデザインで、学校が美大で、そんな環境の下でもざいんさんは初音ミクなどの二次創作を誘発する文化に着目されていますよね? 09年にmikumixで描かれていたのが印象的でした。時期的には多摩美に在籍されていた頃だと思いますが、キャラクター絵を描かれていた方は周囲にいらっしゃいましたか?

ざいん でも、いましたね。最近だとやっぱり学年に何人かはいる印象です。

──そういう方たちと仲良くなったり、影響し合ったりということはありましたか?

ざいん 自分は絵よりも写真からの影響やインスピレーションの方が大きいので、あまりそういうことはなかったかもしれません。けれど、多摩美で学んだことは今の作品制作に活かされていると思います。デジタルの塗りの感覚はほとんど油絵と同じなんです。デジタルから油絵に移るのはちょっと大変かもしれないですけど、油絵からデジタルにいく人、特に厚塗りをやってきた人の場合は比較的すんなり移行できるんじゃないかなと思います。

──なるほど。ただ、よく言われることだと思いますが、例えばシアンとマゼンタの強調具合など、ざいんさんは色使いが独特です。それは油絵とは全く違うところからの発想ですよね?

ざいん そうですね、デジタルならでは、ですね。デジタルで加工している時の鮮やかな色って、アナログで描いている時には自分にはない発想だったんです。それで、デジタルではああいう発色の良い色を使い始めたという感じなんですよね。油絵だと、茶色系のくすんだ色とかが扱いやすいと言うか、手癖で使ってしまうことがあるんです。それだと他の人と差別化が図れなかったりするので、デジタルでは避けています。

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