Google歴史アーカイブ 初の国内歴史資料として広島・長崎の原爆資料を公開

Google歴史アーカイブ 初の国内歴史資料として広島・長崎の原爆資料を公開
Google歴史アーカイブ 初の国内歴史資料として広島・長崎の原爆資料を公開

画像は「Google 歴史アーカイブ」のキャプチャ

2013年8月19日(月)、Googleが運営するサービス「Google 歴史アーカイブ」にて、広島平和記念資料館長崎原爆資料館の協力のもと、両資料館が所蔵している原爆に関する歴史的資料が公開された。

そもそもの「Google 歴史アーカイブ」というサービスは、20世紀の歴史的瞬間を物語る写真や文書、動画など、様々な資料を所蔵する各種資料館と協力し、Web上に公開していくというプロジェクト。これまでその地に足を運ばなければ見ることのできなかった貴重な資料や、感じることのできなかった歴史の息吹を、Web上に公開することで、時間や国境を越えて多くの人が資料にアクセスできるようにすることがミッションだ。

そのような意図のもと、2012年10月にヨーロッパを中心に17の博物館や資料館と提携し、アンネ・フランクさんやノルマンディー上陸作戦アパルトヘイトなどをテーマとした42のオンライン展示を公開。今回追加された広島平和記念資料館と長崎原爆資料館の資料は、サービス史上初の日本の歴史的資料公開となる。

広島平和記念資料館

広島平和記念資料館のページでは、同資料館から提供された55点の資料をもとに、「失われた街を偲んで」、「8月5日、最後の日記」、「最期の言葉」、「ヒロシマ」の計4種類のオンライン展示として公開されている。その中には、原爆による影響から降った黒い雨を浴びたシャツや、原型を留めながらも全体が焼け焦げた三輪車の写真、原爆投下の前日まで、家族と食卓を囲む様子などが記されている女子学生の日記などが公開されている。当日の人々の暮らしや、原爆が町自体にどのような変化をもたらしてしまったのかが想像できる、生々しくも貴重な資料ばかりだ。

長崎原爆資料館

一方の長崎原爆資料館のページでは、提供された動画を含む177点の資料をもとに、「長崎原爆 - 都市の破壊」、「長崎原爆と浦上天主堂」、「長崎原爆と植物」という3種類のオンライン展示として公開されている。広島平和記念資料館のものと同じく、原爆によってどのように土地に壊滅的な被害が生まれてしまったのかが分かる。特に動画資料は、原爆投下後の焼け野原の様子が映されている貴重なものとなっている。

またこちらのページでは、両資料館の館長に加え、外務大臣である岸田文雄さんのコメントが記載されている。
原爆投下、そして終戦から68年目となる今年。奇しくも月に2億人の閲覧者を数えるアメリカの旅行者向け口コミサイト「トリップアドバイザー」では、2年連続で広島平和記念資料館が外国人に人気の日本の観光スポット1位に選ばれるなど、いかに時間が経とうとも戦争の記憶に目を向けたいという人は少なくない。Web上にアーカイブとして刻まれたこれらの資料は、我々の暮らすこの国が歩んできた歴史に対して心して向き合う貴重な機会を与えてくれていると言えるだろう。

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