アルバムに収録される楽曲は全曲未発表のもの。また、同日にはアルバムの収録曲「死体の口からアーモンド臭/長い蠟燭の短さ」のMVがYouTubeにて公開される。
ハハノシキュウさんの専門ショップ「猫背屋」では、本作のインストゥルメンタル版が収録されているCDの予約を受け付けている。
ハハノシキュウとKUVISMの出会いとアルバム制作
アルバム『長い蝋燭の短さ』について
「待ち受け画面を子どもの写真にするような大人になりたくないと思っていた」
就職して、結婚して、子どもが産まれて、それでも曲を作り続けるのはなぜなのか。ハハノシキュウもKUVIZMも一児の父だ。長いと思っていた蝋燭の短さに気付かない振りを続けられるほど若くはない。
これはそんな二人の自問自答の記録である。
2018年12月に開催されたイベント「バリカタ」に出演していたハハノシキュウにKUVIZMが声をかけたことで二人の交友が始まる。
当時のKUVIZMは音楽活動を再開したばかりで、共通の知人は複数いたものの実績はなかった。2019年4月「ハハノシキュウ独演会」にてKUVIZMのビートが使用されたことを皮切りに、マザーテラス(ハハノシキュウ×Amateras)のレコーディング、ミキシング、ビート提供(「空気が入ってるだけ」「ジェローム神父」「残光」など)を経て信頼関係を深めていく。
両名によるコラボアルバムの制作は明確なスタート地点を持たず、いたって"自然な流れ"で開始された。社会的状況や本人たちの楽曲制作への対する考えの変化もあり、作品は常に形を変えていった。それはある意味、子育てのようなアルバム制作だったと言える。
正解がわからないまま試行錯誤の毎日、すっかり大人になってしまった自分自身との葛藤。“サブカル男は40歳を超えると鬱になる”なんて説があるが、年々それが笑えなくなっている現状。
iPhoneの待ち受け画面をチラ見しながら、奥歯を噛み締めて制作に打ち込む。
結果としてそれはトラップ、ドリル、ジャジーヒップホップといった過去の自分たちに囚われない新しいアプローチの連続となった。ラウドなものからメローな楽曲まで多種多様な構成となっており、それに込められた感情も絵の具の数が足りなくなるほど複雑に混ざり合っていった。
そんなハハノシキュウとKUVIZMの共同制作は全曲未発表のフルアルバムとして完成を遂げた。
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