奥浩哉『GANTZ』制作秘話をTwitterで明かす 着想は「必殺シリーズ」から

奥浩哉『GANTZ』制作秘話をTwitterで明かす 着想は「必殺シリーズ」から
奥浩哉『GANTZ』制作秘話をTwitterで明かす 着想は「必殺シリーズ」から

『GANTZ』1巻/画像はAmazonから

POPなポイントを3行で

  • 奥浩哉、Twitterで『GANTZ』の制作秘話を明かす
  • Xガンやタイトルのモデルについても言及
  • 『GANTZ』の着想は必殺シリーズとSF小説
映画・アニメ化なども果たした人気SF漫画『GANTZ』や『いぬやしき』の作者・奥浩哉さんが、自身のTwitterにて『GANTZ』の制作秘話を明かした。

『GANTZ』に欠かせないSFの世界観を支えたガンツスーツやXガンなどのデザイン・設定の原点について言及している。

また、ヒロイン・レイカのモデルや宇宙人のインスピレーションは? というファンからの質問にも回答した。

SF×デスゲーム、人気を誇るSF漫画『GANTZ』

人間が持つ欲望や衝動といった心理描写を、衝撃的な展開と独創的な設定・世界観で全37巻にわたり描いたSF青年漫画『GANTZ』。

「SF×デスゲーム」の先駆けとなった作品の一つで、これまでにTVアニメ、実写映画、舞台、ゲームなど数々のメディア展開がされてきた。

唯一無二な『GANTZ』の物語展開を支えたのが、SF的なデザイン・能力を持った武器の存在。

謎の黒いスーツこと、身体能力を数倍にも引き上げるガンツスーツ、対象を透視する機能を持ち、発射すると数秒のタイムラグのあと爆発させる銃・Xガン、刀身を自在に伸ばせる刀・ガンツソード、特異な形状の単輪バイク・ガンツバイクなどがある。

これに加え、異星人たちと繰り広げられたグロテスクな戦闘描写、リアルなタッチでの性的描写も衝撃を呼び、人気を集めた。

高校時代から温めていた『GANTZ』(以下、ネタバレあり)

現在『ビッグコミックスペリオール』で連載中の『GIGANT』を含め、実写化した『いぬやしき』など数々のヒット作を世に放ってきた奥浩哉さん。

Twitterの投稿では『GANTZ』前作のSF漫画『01 ZERO ONE』が人気を得られず3巻で終了したことに触れ、「ゼロワンで全財産を使い果たした僕は後がなく、賭けにでました。高校生の頃から暖めてたGANTZを描くしかない。これが1巻から調子が良く。なんとか食い繋ぐことが出来ました。」と告白。

また、当時SFは青年誌で受けないというジンクスのせいで、恋愛コメディ漫画『変』がある程度の人気を獲得するまで、好きな作風を描かせてもらえなかったとも述べている。

序盤の衝撃的な展開の一つである、主人公が付き合いはじめた彼女がターゲットになってしまうという大筋の話も高校生の時点ですでに頭にあったそうだ。

『GANTZ』の着想は必殺シリーズと小説から?

高校生だった奥浩哉さんは、『必殺仕掛人』などの一連の必殺シリーズが好きで、これのSF現代版を漫画でつくれないかと模索していたという。

そして、当時ハマっていた作家・ロバート・シェクリイさんによる長編SF小説『不死販売株式会社』の、主人公が高速道路で車の事故で亡くなる間際に未来に転送され、未来でゾンビハンターとして強制的に狩りをさせられる話と、必殺シリーズをSF現代版としてミックスするアイディアを思いついた。

時速80マイルで走っていたトマス・ブレインは、突然の自動車事故のため、頭はガラスを突き破り、胸にはハンドルが突き刺さり、背骨が折れ、苦痛を感じる暇もなくあっさりと死んだ。だが、目を覚ますと、そこは100年以上も先の未来。しかも、死から生き返らされたブレインは、幽霊やゾンビイが跳梁跋扈する超未来世界で、恐るべきハンターに追いかけられるはめに…。 Amazon商品の説明より

そのアイデアこそが『GANTZ』の原型である、死んだばかりの人達があるマンションの一室に集められ、夜な夜な強制的にクリーチャーの狩りをさせられるという設定だ。

高校生ながらにして、大ヒットを記録した『GANTZ』の大筋の設定が完成していたことに、ファンからの驚きの声が寄せられている。

細かい設定など、一問一答

この一連の奥浩哉さんによる『GANTZ』ツイートに対して、国内外のファンからの質問が殺到した。奥浩哉さんの返答の中には、制作秘話も多く見受けられた。

以下、質問と返事をまとめた一問一答となる。

──『GANTZ』タイトルの由来はなんですか?

奥浩哉 特撮ドラマ『がんばれ!!ロボコン』のキャラクター・ガンツ先生から。

──Xガンやソードなどの武器、ガンツスーツはどうやって思いついたんですか?

奥浩哉 宇宙人の技術で作られた武器なので、変わった性能にしようと思いました。デザインや性能(Xガンの時間差で爆発など)は描く段階での思いつきです。Xガンのモデルにかんしては、医療用の胆石破壊装置ですかね。

──ガンツバイクはどうやって思いついたんですか?

奥浩哉 モデルはなく、丸いフォルムから連想して思い付き、その後モノクルというバイクが昔からあることを知りました。

──レイカのモデルは実在しますか?

奥浩哉 特にいません。いつも僕が描いている女の子を横分けの髪型ロングにしただけです。名前にはモデルがいます。ファッション雑誌に当時モデルをしていた下平玲花さんです。ファンだったので。事後承諾はいただきました。

──作内で千手観音が印象的なのですが、どこからインスピレーションが湧いてきたのですか?

奥浩哉 千手観音のインスピレーションは仏像が敵の舞台にしようと決めて、仏像の本を読んでるとき千手観音をボスにしようと決めました。

──大阪で妖怪星人が出るというコンセプトは、どこからでてきたんですか?

奥浩哉 大阪編の妖怪星人たちは、道頓堀に合うクリーチャーを考えたら自然と百鬼夜行が浮かびました。

──(36巻の)心理の部屋で出てきた宇宙人のデザインは、どこから思いついたものなんですか?

奥浩哉 誰もが神と思う存在としてデザインしました。

──作内における恋愛要素は読者の受けを狙ったのか、それとも先生自身が描きたくて描いたのか、とても気になります。

奥浩哉 GANTZにある恋愛要素は、自分の中にある恋愛感を増幅した感じですかね。

番外編、息子がファンの両親とのやりとりにほっこり

──今、11歳の男の子が夢中になってます。この間も、段ボール工作でX銃つくって喜んでいました。誕プレかXmasには、ガンツスーツがほしいと目をキラキラさせて教えてくれました。

奥浩哉 漫画本編を読んだんですか? 心配です…。

──話ぶりでは、アニメや実写から導入して、今は漫画原作に興味津々みたいです。なので、事前に見せれない場面があるから、大人になるまで待って貰うように伝えています。

奥浩哉 その方がいいかもです。有難うございます!

中1で読んだ時の衝撃が今でも残っています

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