MVは、ももいろクローバーやSUPER BEAVER、パスピエなどのMVも手掛けた気鋭の映像作家・小島央大(こじまおうだい)さんが担当した。
一人ひとり違う「世界の解像度」を描く
聴く人によって異なるそれぞれの視点を繋ぐことで違った景色が見えるのでは、という構想から制作された。
曲中の「解像度」という歌詞と対応する言葉(「才能も」「再縫合」「再放送」など)が全て母音を同じくしているなど、amazarashiらしい技巧的なリリックがデザインされている点も魅力的だ。
小島央大さんが担当したMVは、「死」と「生」に直面する場面を軸としてつくられており、楽曲を聴いた時点での自分の感情状態によってどのように物語の二人が映るのか、その変容も感じられる作品となっている。
「世界の解像度」をキーワードに、人によって見えている世界は違う、それぞれの解像度がある──歌詞や映像から、伝わるものがある。
言葉に向き合い続けるamazarashi
2018年に行った初の武道館公演「新言語秩序」では、「言葉が禁止されたディスピア」という公演コンセプトの下、公演に向けて小説や新曲、MVといった作品を検閲された状態でリリース。
会場では検閲を解除できるアプリを配布し、観客はレジスタントとしてプロジェクトに参加するという演出がなされた。
この演出は、「第23回文化庁メディア芸術祭 エンターテインメント部門 優秀賞」を受賞した。
SNS社会での振る舞い方を問われる現在。amazarashiの楽曲は。この社会を生きる自分、そして言葉の在り方について、鋭い眼差しを向けながら、絶望だけではない希望を歌っている。
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