富士葵インタビュー 歌系VTuberの先駆けが歩んできた2年

富士葵インタビュー 歌系VTuberの先駆けが歩んできた2年
富士葵インタビュー 歌系VTuberの先駆けが歩んできた2年

富士葵さん

POPなポイントを3行で

  • VTuber界の歌姫の先駆け「富士葵」インタビュー
  • メジャー1stアルバム『有機的パレットシンドローム』リリース
  • 2年間の波乱万丈な活動を振り返る
「歌」はバーチャルYouTuber(VTuber)における重要な要素だ。人気VTuberともなればオリジナルソングを持つのが当たり前で、関連する大型イベントもほとんどが音楽ライブ。

歌を中心に活動するVTuberも多く存在し、有名コンポーザーも楽曲に関わりavexのような大手レーベルも参入。アンダーグラウンドからメジャーまで本格的な音楽シーンを形成してきた。

そして「VTuber×歌」を語る上で欠かせない存在が、ブームの最初期から歌を中心に活動してきたVTuber界の歌姫、富士葵さんだ。

キミの心の応援団長」というコンセプトで、VTuberブームの発生期である2017年12月にデビューした高校生の女の子。

当時としては珍しい「歌ってみた」を中心に活動すると、その圧倒的歌唱力で本格派歌系VTuberとしてのポジションを確立。2018年5月にはメジャーデビューを発表し、11月にシングルを発売。先日は念願の1stソロライブ「OVERTURE - 序曲 -」も成功させた。

そんなVTuber界の歌姫が2年間の活動の集大成として世に放つのがメジャー1stアルバム『有機的パレットシンドローム』だ。 歌姫としての真骨頂たる七色の歌声を詰め込んだ1stアルバムを完成させると共に、活動開始から2年という節目を迎え、新たな地平に臨む彼女の眼には今、なにが映っているのだろうか。

取材・文:オグマフミヤ 編集:吉谷篤樹

歌系VTuberの草分け

──本日はよろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお願いしてもよろしいですか?

富士葵 富士葵です!「キミの心の応援団長」として、主に歌を通じて、様々なヒト・モノ・コトを応援する活動をしています!

…自己紹介って難しいですね(笑)

──元気にありがとうございます! 現在のご活動を開始されたきっかけはなんだったのでしょうか?

富士葵 葵が活動を始めようとしたとき、たくさんYouTuberやVTuberが本当にそれぞれ色んなことで活動していたのを見て、こんな世界もあるんだ!と思って、葵にも何かできないかなーと思ったんです。

──今でこそ歌を中心に活動するVTuberは数多くいますが、富士葵さんはブームの早い段階から歌を中心に活動されており、現在に繋がる歌系VTuberの草分け的存在だったと思います。

富士葵 歌のカバー動画というか、本格的に歌をメインに活動されている方は、当時はいなかったように思います! たぶん(笑)。 ──歌中心の活動は、ほかのYouTuberやVTuberの活動との差別化のような意識もあったのでしょうか?

富士葵 ありました! 活動を始めるときに、何をメインにして活動していこうかな〜って悩んで…。

ゲームは好きだけど得意とは言えないし、喋れるわけじゃないし…って考えていったときに、そういえばまだ歌ってる人少ないなって!
【Cover】なんでもないや/RADWIMPS 『君の名は。』
──確かに希少な存在でした。しかし圧倒的な歌唱力で頭角を表す一方で、ほかのVTuberたちがキラキラした美少女然としているのに対して、当時の葵さんの見た目が素朴なことに様々な声があったり、ご自身でも悩まれたそうですね。

そして2018年1月に、もっとかわいくなることを目標としたクラウドファンディング「葵、かわいくなりたいプロジェクト」を開始されました。


富士葵 葵は、学校の制服とすっぴんのままでふらっと活動始めちゃったんですけど、蓋を開けたらみんなすごく可愛くて、お衣装もちゃんとしてて、これじゃ可愛くないって言われるはずだなぁって納得しました(笑)。

メイクやお衣装代だけじゃなくて、長時間撮影できる機材とかもなかったのでみなさんの力を借りることにしたんです。
【ありがとう】葵からみなさんへご報告です!!
──今ではVTuberによるクラウドファンディングも珍しくないですが、シーンの初期において、しかも2,000万円以上の支援を集める大成功をおさめていたのは衝撃的でした。

富士葵 みなさんに「今までの葵ちゃんも好きだったけど、可愛くなったねー!」って言ってもらえました! 今まで葵を見ていただいてなかった方にも注目してもらって、チャンネル登録も増えてすごく嬉しかったです!

はじめてをみんなと一緒に

──VTuberシーン全体の初期からの大きな変化としては、ファンがVTuberを事務所やユニット単位で応援する、いわゆる"箱推し"の隆盛があります。富士葵さんも同じSmarpriseに所属する奏MiMiさんとのコラボがありましたが、基本的にはそれぞれのフィールドで活動をしている印象です。

個人勢とはまた違いますが、プロジェクトやユニット的な活動の広げ方をせず、ソロでの活動を貫くのはねらいがあったりするのでしょうか?


富士葵 いや〜特にはないです!(笑)仲間がいてみんなでイベントとかできるのもすごく楽しそうだなぁって思います!

グループ活動をしたことがないので、1人の方が良い面とかは実際に比べて考えたことなかったです。ただ逆に、二人組の曲とか、これ大勢で歌えたら絶対かっこいいのにー! みたいに思うときはあります! あとは通常動画で自然にボケとツッコミが成立するところとか!(笑) ──ほかの活動に目を向けると清水エスパルスの応援サポーター就任や三田製麺所とのコラボ、JTBでのバスツアーの開催など、バーチャルYouTuberとして初の取組をいくつもされている印象もあります。

富士葵 常に新しいことに挑戦したいという思いはあります! あと「キミの心の応援団長」として活動してきたおかげもあって清水エスパルスさんのように応援サポーターとしてのお仕事もいただけるようになりました! ──音楽面に関してはメジャーデビューの発表も先進的で、リリースの際のSHIBUYA TSUTAYAでの大型展開には胸が踊りました。しかし時代としては、ストリーミングサービスの流行があってCDという媒体に逆風が吹いている状況でもあると思いますが、CDでのリリースには特別強い想いがあったのでしょうか?

富士葵 やはりメジャーデビューのお声がけをいただけるって人生でそう簡単にないと思っています。なので、正直CDだからどうこうというのは考えていなかったです(笑)。

逆に、配信のみの曲をリリースしたときは「CDとしても欲しかった〜!」とファンの方からたくさん声をもらったのでちゃんとCDとして形にできてよかったと思ってます!

──「Vサマ!」や「DIVE XR FESTIVAL」などリアルやバーチャルでの音楽イベントへの出演を重ねられてきましたが、出演者が大勢いるイベントでは、初期から活躍する歌姫として真打ち的なポジションを担っていた印象です。ご自身としてはプレッシャーや責任を感じることはありましたか?

富士葵 いやいやいやそんな真打ちなんて恐れ入りすぎます!!! スライディング土下寝!!!

ただ、歌をメインとしてやってきて、みなさんから求められているポジションはあると思うのでそのプレッシャーはもちろんあります

──そうしたプレッシャーとの向き合い方や、特別な対処法などはあるのでしょうか?

富士葵 プレッシャーを感じても感じてなくても、ある意味「やるしかない!」時はたくさんあるので、「考えてもしょうがないぞー!」と、なるべく忘れるようにしてます! それでも色んな想いが溢れてしまうときは、気分転換します!

──先日はついに1stソロライブも開催されました。ゲスト出演でのライブパフォーマンスは多くありましたが、ソロライブは初。加えて会場となった「Veats Shibuya」でも初のARイベントいうことで歴史的なイベントになったと思いますが、改めて感想はいかがでしたか?

富士葵 何ヶ月も前からほかのものが手につかないくらいずっと緊張してたんですけど、終わった今振り返ってみるとめっちゃくちゃ楽しかったです!やはりみんなを身近に感じられるって幸せですね!

しばらくは葵が“みんなロス”してました(笑)。
【ダイジェスト】富士葵1stソロライブ「OVERTURE -序曲-」
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