人気リアリティ番組「クィア・アイ」 特別編 注目したい「日本で製作」の意味

人気リアリティ番組「クィア・アイ」 特別編 注目したい「日本で製作」の意味
人気リアリティ番組「クィア・アイ」 特別編 注目したい「日本で製作」の意味

POPなポイントを3行で

  • 『クィア・アイ』が日本舞台のスペシャルシーズンを製作
  • 個性的な5人のゲイが、悩める人々を生まれ変わらせるリアリティ番組
  • 日本で『クィア・アイ』が作られることの意味を考えたい
Netflixの人気リアリティー番組『クィア・アイ』が、日本を舞台とした特別シーズン『クィア・アイ: We’re in Japan!(原題)』を製作することが決定した。

『クィア・アイ』は、全員ゲイであり、料理やファッション、ヘアスタイルなどそれぞれの分野のプロフェッショナルであるファビュラス(とても素晴らしいの意)な5人組“ファブ5”が、悩みを抱えて自信を失った人々を大改造し、魅力的に生まれ変わらせるというリアリティ番組だ。

スペシャルシーズンの製作にあたり、フード&ワイン担当のアントニ・ボロウスキさん、インテリア担当のボビー・バークさん、美容担当のジョナサン・ヴァン・ネスさん、カルチャー担当のカラモ・ブラウンさん、ファッション担当のタン・フランスさんという“ファブ5”が揃って来日し、撮影が実施される。 彼らは日本の流行やカルチャーを学びながら、多くの応募の中から選ばれた4人の日本人男女をプロデュースするという。また、彼らの来日中は、日本のファンを撮影現場に招待する特別企画も予定されているそうだ。

アメリカで超ブレイク中の『クィア・アイ』

『クィア・アイ』予告編 - Netflix [HD]
ゲイであり、かつ個性的な5人が独自の目線から考える斬新なアイディアや弱者の立場に立った言葉が、ストレート、LGBTQを問わず視聴者の胸を打つと評価されている『クィア・アイ』。

全米の映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」では、シーズン1・2を通しての評価が91%(1月23日時点)を超え、ファブ5は世界的にブレイクしている。

番組自体は、2003年から2007年までアメリカで放送され、エミー賞をも受賞したリアリティ番組『Queer Eye for the Straight Guy(原題)』のリブート版。

ニューヨークのストレートの男性を対象にしたオリジナル版に対し、アメリカ南部のジョージア州・アトランタを舞台に、ゲイの男性も対象にしている。現在シーズン2まで配信されており、シーズン3の製作も決定している(シーズン3の舞台はミズーリ州)。

日本でのスペシャルシーズンについて、エグゼクティブ・プロデューサーのデヴィッド・コリンズさんは、「配信開始からまだ1年ですが、クィア・アイは世界中で話題となり、ファブ5が伝える思いやりやセルフケアの大切さは、まさにこの時代に必要とされているように思います。素晴らしい伝統や習慣を持つ日本での撮影は、より世界の人々に日本を知ってもらう良い機会にもなると思っています」と大きな期待を語っている。

『クィア・アイ』が、日本で製作される意味とは?

「クィア・アイ」のファブ5が、プロポーズを控えた男性に真剣アドバイス!|VOGUE JAPAN
既存の男性と女性という2分されたジェンダーに収まらない性別の定義として、正しく理解、受容されているかは別にして、“LGBTQ+”は昨今、日本でもよく目にする言葉だろう。そのなかで、Qは「Queer(クィア)」と「Questioning(クエッショニング)」いう2つの言葉を表している。

「Queer(クィア)」は、もともとLGBTを含むセクシュアルマイノリティ全体に対して、「不思議な」「風変わりな」「奇妙な」などを表す、侮辱を含む言葉であった。しかし「自分たちはクィアである」という一種の開き直りの態度や自己の肯定と共に、あえて自身を指す言葉として使うようになっていった。

「Questioning(クエッショニング)」は、LGBTの枠で定義されていない、自身の性自認が定まっていない人々を意味する。

いま、ソーシャル・マイノリティへの理解や議論は世界で少しづつ深められているが、日本はそのステージからまだ何歩も遅れをとっていると言っていい。

日本でも近年バズワードとなっている「LGBT」という言葉は、しばしば個人や企業の「私(たち)は多様性に配慮しています」というアピールに使われ、当事者さえ置き去りにすることがある。

しかし、現在アメリカでソーシャル・マイノリティを扱う超人気番組が、次の舞台にそうした状況にある日本を選んだというのは、とても興味深い出来事だ。

スペシャルシーズンは2019年に全世界で配信予定。「なぜ日本だったのか?」が語られることへの期待も含め、ファブ5の「日本大改造」を楽しみに待ちたい。

Netflixでの配信が待たれるタイトルたち

Netflix最高

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