40年を迎えた小松左京『日本沈没』、米沢嘉博記念図書館にて企画展開催

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40年を迎えた小松左京『日本沈没』、米沢嘉博記念図書館にて企画展開催
40年を迎えた小松左京『日本沈没』、米沢嘉博記念図書館にて企画展開催

「小松左京『日本沈没』展-未来へのヴィジョン-」フライヤー

2013年で刊行から40周年を迎える、小松左京さんの『日本沈没』。そして、小松左京さんが発足メンバーの一人であった日本SF作家クラブ創立50周年でもある。それを記念して、明治大学の米沢嘉博記念図書館にて、6月7日(金)から10月6日(日)までの間、「小松左京『日本沈没』展-未来へのヴィジョン-」が行われている。

小松左京さんは、日本のSFを語る上で、最も重要な作家として、唯一無二のSF作品を生み出し続けてきた。2011年に80歳で逝去したが、その功績は、いまもなお、SF史に燦然と輝いている。その代表作のひとつとして、映画・ドラマ・マンガ化されたこともある大ベストセラー『日本沈没』の作品展が開催されている。

『日本沈没』は、震災によって文字通り日本列島が沈没するという物語だ。国家という共同体が崩壊する様、そして国を失った日本人が、難民として世界を放浪するストーリーを、SF的観点から描き出した。刊行直後から爆発的な反響を呼んだ結果、SFというジャンルそのものを、一般社会に広く知らしめる契機となった作品としても評価されている。

1973年に同作が描いた「日本とは、日本人とは何か」というテーマが、二度の震災を経験した今、ますます差し迫るものとなっている。今回の展示は、その重要性を鑑み、小松左京さんが発足メンバーの一人であった日本SF作家クラブ創立50周年を記念して企画されたとのこと。

展示では、『日本沈没』の創作メモや、「未来へのヴィジョン」が提示されたシーンから抜粋した直筆原稿、モリ・ミノル名義での、『日本沈没』につながる大陸移動説を紹介したマンガ作品『ぼくらの地球』の生原画なども展示。一色登希彦さんにマンガ化された作品の原画や、映像化の際の台本も目にすることのできる貴重な機会となっている。直接の原作作品だけでなく、インスパイアされた作品も紹介する。

また、本展のために寄せられた『日本沈没』への、作家たちからのメッセージ50点も展示されている。上田早夕里さん、機本伸司さん、高千穂遙さん、筒井康隆さん、とり・みきさん、永井豪さん、森岡浩之さん、氷川竜介さんら、そうそうたる顔ぶれが並んでいることからも、小松左京という作家、『日本沈没』という作品が、いかに日本のSF界に影響を与えているのかがわかる。

会期中には、関連イベントも開催される。入場料は無料のため、SF好きはもちろん、興味のある方は是非足を運んでみてほしい。


「小松左京『日本沈没』展-未来へのヴィジョン-」
会場:米沢嘉博記念図書館1階展示コーナー
期間:2013年6月7日(金)~2013年10月6日(日)
休館日:毎週火・水・木曜(ただし祝日の場合は開館)夏季休暇8月24日(土)・25日(日)
※特別整理などで休館する場合あり
主催:日本SF作家クラブ・明治大学 米沢嘉博記念図書館
協力:株式会社イオ、株式会社寿限無
問い合わせ:米沢嘉博記念図書館
〒101-8301 東京都千代田区猿楽町1-7-1
TEL:03-3296-4554
※8月9日(金)には展示替えが行われる
※2階閲覧室にて、『日本沈没』関連書籍を閲覧することが出来る


今後の関連イベント ※以下HPより抜粋
小松左京とマンガとわたし(7月20日[土])
講師:とり・みき(マンガ家)
場所:明治大学 米沢嘉博記念図書館2階閲覧室
時間:16:00~17:30
入場:無料 ※会員登録料300円が別途必要です。
内容:とり氏が明治大学の学生時代に発足した小松左京研究会の頃のこと、また小松左京氏のお人柄に関するエピソード、そしてSF作家としての「小松左京」についてお話しいただきます。ケイブン社文庫のとり氏画の小松作品表紙や、「小松左京さんを宇宙に送る会」にて上映されたとり氏制作の『小松左京の80年』映像をみせていただきながらのトークイベントです。

『日本沈没 第二部』と、その未来(9月14日[土])
講師:谷甲州(作家/小松左京と共同名義で『日本沈没 第二部』を執筆)
森下一仁(作家・評論家)、聞き手:乙部順子(株式会社イオ代表)
場所:明治大学 米沢嘉博記念図書館2階閲覧室
時間:16:00~17:30
入場:無料 ※会員登録料300円が別途必要です。
内容:『日本沈没 第二部』は、執筆プロジェクトを組まれて制作されました。プロジェクトに参加し、同作の2006年刊行に大きく貢献したお二人に、その創作の過程や、お二人の知る小松左京氏について語っていただきます。聞き手は、長年小松左京マネージャーを務めており、このプロジェクトにも深くかかわっていた乙部順子氏です。
※他にもイベントを企画中

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