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18章_NAIKA MC

NAIKA MC

1回戦第1試合 NAIKA MC VS MAVEL。

一試合目の先攻がNAIKA MCの時点で、なんとなく「こういう試合になるだろうな」という先入観が未来予想図を描かせる。

「いくぜ18章ーーー!調子はどうだーーっ!!」というNAIKA MCの問いかけに対し、僕らはわかっちゃいるんだけど声を上げてしまう

これは予定調和というよりは通過儀礼に近い。「とりあえずビール!」みたいな感じだ。対するMAVELもそんな空気感をひっくり返すために心地良いオンビートでアンサーを返していく。

NAIKAさんの「何がMAVELだよ?(マーベル・スーパーヒーローズとかけて)てめぇじゃスーパーヒーローになれねぇよ!」というラインに対し「路地裏のヒーローバッツマン」とバットマンと大麻を掛けた造語で会場を沸かせる。

しかし、NAIKAさんは「何がバッツマン?ただの沖縄のワックじゃん!」と軽く一蹴する。ただ、NAIKAさんの圧勝とまではいかないせめぎ合いだったように見えた。延長でも全然おかしくなかった。

だが観客の声は僕の目測とは違ってNAIKA MCの圧勝という結果を残した。

僕はこの時「またいつも通りの展開の繰り返しなんだろうか」と酒をやめた風情で「とりあえずビール!」の強固さを恐れた。

最初の一杯を全員泡盛にすることは難しい。NAIKA MCは先入観を味方につけたのだ

この「18章」、僕個人の見解としては「セルフサンプリングやお決まりのフレーズを使うラッパーが多かった」ように思える。それは先入観を味方につけるための一番シンプルな方法だ。

今回の戦極MC BATTLE 18章は前回までの64人制とは異なり、48人制となる。

1回戦の試合は全て予選から選出されたMC同士によるもので、2回戦からゲストバトラーがシードとして参入するシステムだ。

そのため、1回戦に関してはラッパーよりも観客の方が体力を温存しているような印象を受けた。

トーナメントが進むにつれて観客の声が弱っていくのは僕も経験上よく知っている。64人制だと1回戦が終わった時点で、相当の体力を消費しているように思える。

ただ、今回はそういう意味では一味違うのかもしれない。
18章_SAM vs ID

SAM vs ID

1回戦の盛り上がりは「SAM vs ID」で1回目のピークを迎え、その後も「MOL53 vs MC MIRI」「FRANKEN vs BASE」と好カードが続いた。

SAMの吐いた「ライムで本心隠して来た、今日は外して来たリミッター」というラインが印象的だった。

2回戦に入り、シード選手の名前が呼ばれるとようやく本腰の入った歓声が上がったように思えた。

僕自身も自分が出場していないからこそ残酷に切りわけができていた。「面白い試合を見せてくれよ」という期待感を抱きながら、自分が手を叩いて喜ぶためのハードルを勝手に上げていく。

シード選手を迎え撃つ2回戦の意外性

MCバトルの外側の言葉が先入観をかき乱していく。2回戦第2試合は「ミステリオ vs SIMON JAP」。

高いハードルはくぐれなんて迷言があるが、実際に陸上選手が真剣勝負でそれをやるはずがない

どっちかが勝って、どっちかが負ける。二択しかない、つまり予想できるのに予想できないから面白いのだ。

だけど、この試合においては勝ち負けではくくれない面白さが付随していた。

試合そのものについて言えば、ミステリオ君の執拗なまでの時事ネタがこの大会に来ている観客のツボを刺激していたように思う。

この「18章」における時事ネタは大きく言えば2つあった

1つ目は「フリースタイルダンジョン」の初代vs二代目で行われた「R-指定vsFORK」である。

ほとんどの観客が認知していた試合だったため、ここからの引用は非常に歓声が沸きやすかった(どのような引用だったのかはDVDで観てください) 。もう1つは後ほど触れる。

この試合で僕が話したいことはバトルとは別の部分になる。バトル中の会話を内容と呼ぶなら、僕はこれを外容と呼ぼうと思う。これは外容の話だ
18章_SIMON JAP

SIMON JAP

SIMON JAPさんと言えば「怖い」というパブリックイメージがあるかもしれないが、この日のあの人は頭からケツまで「ユーモア」に溢れた人だった。

「怖さ」と「ユーモア」は紙一重で表裏一体なのかもしれない

そして、その紙一重のバランスが「戦極MC BATTLE 18章」の裏テーマだったような気がしてならない

初っ端から、ジャンケンで勝ったSIMON JAPさんが先攻後攻を選ぶ際に、観客にそれを決めさせるというパフォーマンスを見せる(補足すると前の試合で、ジャンケンに勝ったスナフキンがNAIKAさんに「選んでいいっすよ」と言った部分から連なった流れである) 。

そして、試合後(試合も含めてDVDで観てください) 。

どういう言い方が一番適切なのかわからないが、端的に言えばあの人は“判定の邪魔をしていた”。

邪魔をしていたなんて言うとネガティヴに受け取られてしまうけど、ミステリオ君もミステリオ君でその空気に乗っかっていたから、結局は二人でコントをしていたようなものだった。いや、八文字さんをツッコミとするとトリオ漫才だったかもしれない。
18章_SIMON JAP vs ミステリオ

SIMON JAP vs ミステリオ

「“みんなが”選んだ先攻のSIMON JAPだぜ?」と延長を促すような発言もあった。

はっきり言って非常に面白いやり取りなのでDVDではカットされないでほしいと思う。この試合によって会場の雰囲気はなんとも形容しがたい生温さを纏っていた

ただ、僕は内心でこうも思っていた。「18章、大丈夫か?これ

この日、サーキュレーターのように会場の空気を操っていたのはもしかしたら、このバトルの外容、ビートの外側の言葉たちだったかもしれない。

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