元でんぱ組.inc 最上もがの年齢公表にみる「アイドルと年齢問題」

  • 0
元でんぱ組.inc 最上もがの年齢公表にみる「アイドルと年齢問題」
元でんぱ組.inc 最上もがの年齢公表にみる「アイドルと年齢問題」

最上もが2nd写真集『MOGAMI』/画像はAmazonより

POPなポイントを3行で

  • 元でんぱ組.incの最上もが、誕生に年齢を公表
  • アイドルオタクの間では議論が巻き起こる
  • 背景にある秋葉原カルチャーと年齢という魔法とは
2月25日、元でんぱ組.incのメンバーだった最上もがさんが誕生日を迎え「29歳になりました」と、これまで非公開にしていた年齢をTwitterで明かしたことが発端となり、ドルヲタ(アイドルヲタク)たちを中心に議論が巻き起こっています。

2月の終わりに突如発生した「アイドルと年齢問題」

みなさんは「年齢」をどう考えていますか? 大事な判断材料? ただの数字? ──アイドルにとって「年齢」はある種のボーダーラインなのです。
最上もがさんのツイートには、「○○歳だから推せない(応援できない)」という否定的なコメントや、「○○歳に見えない!かわいい!」という肯定的なコメントが入り混じ、良くも悪くも問題発言だと注目されています。

しかし、いつの時代もアイドルと年齢という問題は、切っても切り離せない関係にあるのではないでしょうか。

でんぱ組.incが取り入れた秋葉原カルチャーと年齢

年齢問題の検証に入る前に、でんぱ組.incとも関連性の深い秋葉原カルチャーについて説明したいと思います。

秋葉原カルチャーは簡単に言うと、秋葉原ではSNSやゲームのアカウント名でお互いを呼び合い、本名はもちろん、年齢や職業、住んでいる場所などを明かさずとも交流できる、というものです。もともとでんぱ組.incは、秋葉原カルチャーを取り入れたグループコンセプトから「年齢=非公開」とされていました。 メンバーにはメイドカフェで働いていたり、ニコニコ動画で踊り手として活動していたりした人がいるため、秋葉原カルチャーを取り入れるという部分は、ごくごく自然な流れなのです。そして、メンバーたちもその秋葉原カルチャーを受け入れて活動してきました。
だからこそ、脱退したとはいえ「でんぱ組.incのメンバーだった最上さんが、年齢を自ら公表することはいかがなものなのか!?」という意見をはじめ、さまざまな言葉が飛び交っているんです。

はい! ここで疑問が出てくると思います。同じ秋葉原を本拠地として活動するアイドルでも、「AKB48は年齢も本名も明かしているではないか!」と。

これは「グループコンセプトの違い」と言ってしまえばそれまでなのですが、AKB48は「クラスの○番目に可愛い子」を集め、「会いに行けるアイドル」として活動を開始しました。そのため、年齢や本名を明かすことで、親近感をより高める戦略があったからではないかと、筆者は考えています。

アイドルに年齢という情報は必要なのか?

それでは、ここからアイドルと年齢問題についてちょっと考えてみましょう。

要は「アイドルに年齢は必要な情報なのか」という点。

海外のアイドルに比べ、日本のアイドルは少女性が強く、アイドルを目指す女の子たちにとって年齢は一種のボーダーラインになっているため、「年齢非公開」をコンセプトに掲げるアイドルが増えてきています。

およそ20年前の1990年代後半は、グラビアアイドルの年齢詐称(疑惑を含め)が多くのメディアで取り上げられていました。謝罪や活動休止などを求める厳しい声も多く、こうした反応も少女性を求める日本独自のアイドルカルチャーが原因だ、と幼心に感じたのを覚えています。

少女性を求めることを否定はしません。が、年齢にこだわる方々に聞きたいのが、「アイドルの年齢は、彼女たちのパフォーマンスにどのような影響を与えるのか?」ということです。

パッと思いつくものとしては、激しいダンスができない、セーラー服を着こなせない、学園系の楽曲を歌うと違和感を覚える──そのくらいではないでしょうか。

「年齢」という名の魔法の数字は存在するのか

最上さんは、年齢公表後に行われた写真集の発売記念イベントで、年齢について「ずっと公開したかった」と言及(外部リンク)。その晴れ晴れとした姿からは、等身大の自分として仕事をしていく決意が感じられました。

タレントとして、公表することで、それまでとは違う新しい自分と出会うことができる年齢。

一方、非公開にすることで、アイドルという非日常感を生み出しエンターテインメントとして成立させることもできます。

良くも悪くもその活動を左右しかねない、アイドルにおける魔法の数字「年齢」。その影響や効果について、今後も定期的にアイドルシーンにポストしていきたいと思います。

あなたもユーザー記事を書いてみませんか?

SHARE

この記事をシェアする

Post
Share
Bookmark
LINE

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。

コメントを削除します。
よろしいですか?

コメントを受け付けました

コメントは現在承認待ちです。

コメントは、編集部の承認を経て掲載されます。

※掲載可否の基準につきましては利用規約の確認をお願いします。

POP UP !

もっと見る

もっと見る

よく読まれている記事

KAI-YOU Premium

もっと見る

もっと見る

エンタメの週間ランキング

最新のPOPをお届け!

もっと見る

もっと見る

このページは、株式会社カイユウに所属するKAI-YOU編集部が、独自に定めたコンテンツポリシーに基づき制作・配信しています。 KAI-YOU.netでは、文芸、アニメや漫画、YouTuberやVTuber、音楽や映像、イラストやアート、ゲーム、ヒップホップ、テクノロジーなどに関する最新ニュースを毎日更新しています。ユーザー投稿記事は、ポップカルチャーの最新情報をお届けするべく、「記事投稿」機能を利用してユーザーのみなさんから投稿された記事を、編集部による厳正な審査と、校閲・校正を経て掲載しています。審査の基準や機能については、ユーザー機能ヘルプページをご覧ください。

ページトップへ