Interview

  • 2021.01.11

“最強の絵師”こと韓国のキム・ジョンギ「韓国Web漫画の勢いは日本以上。けれど不安もある」

韓国で“マスター”と称され、世界のメディアで取り沙汰されるイラストレーター・漫画家のキム・ジョンギ。

急成長する韓国漫画界に寄せる、複雑な思いとは──

“最強の絵師”こと韓国のキム・ジョンギ「韓国Web漫画の勢いは日本以上。けれど不安もある」

クリエイター

この記事の制作者たち

筆ペン1本でなんでも生み出すことができる、“現代最強の絵師”と呼ばれる韓国の漫画家がいる。

キム・ジョンギが話題となったきっかけは、筆者の知る限りでは、2011年にソウル近郊で開催された「マンガフェス」でのライブ・ドローイングで4日間にわたって描き続けた映像だった。

Kim jung gi : Awesome demonstration of drawing!

その彼が、「東京コミコン2017」にてライブドローイングを行った。真っ白なキャンバスに、下書きなしで壮大なイラストが描かれる様には、会場を歩く人が思わず足を止めて目を奪われる。

現在も世界中からライブドローイングのオファーがひっきりなし。日本でも、今年だけで寺田克也さんとの画集出版、大友克洋トリビュート展でのライブドローイングなど、活動の場を広げている。

貴重な来日の機会に、キム・ジョンギが影響を受けた日本の漫画、そして、韓国漫画を取り巻く現状への懸念と期待について語った。

※本稿は、2017年に「KAI-YOU.net」で配信した記事を再構成したもの

取材・執筆:新見直

漫画家目指すきっかけは鳥山明『Dr.スランプ』

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キム・ジョンギが絵を描くキッカケは、日本では知らない人のいない巨匠の作品だった。

「幼稚園の時、親が買ってくれた子供用スケッチブックに『Dr.スランプ』のイラストが描かれていました。その絵がとても素敵で、自分もこういう絵を描きたいと言ったら、漫画家になれと教わりました」

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