東京大学大学院、「学問の化学反応」を可視化する科学とアートによるプロジェクトを開始

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東京大学大学院、「学問の化学反応」を可視化する科学とアートによるプロジェクトを開始
東京大学大学院、「学問の化学反応」を可視化する科学とアートによるプロジェクトを開始

画像は「THE SCIENCE THINKER」特設サイトのキャプチャ

東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻相関基礎科学系は、大学院を志望する学生向けに、研究テーマのヒントとなるプロジェクト「THE SCIENCE THINKER」(ザ・サイエンス・シンカー)を5月14日(火)より開始した。

「THE SCIENCE THINKER」は、5月25日(土)に開催される大学院入試説明会向けに企画されたプロジェクトだ。その一環として、「考える人」をかたどった2.4メートルのオブジェを駒場キャンパスに設置された。そこではプロジェクションマッピングを用いて、相関基礎科学系ならではの研究テーマが可視化され、関連する科学キーワードがぶつかりあって浮かびあがるようになっている。
約50の研究室が日夜、多様かつ創造性溢れるテーマを研究している東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系は、「学問の化学反応」のダイナミズムが起きている場である。科学史・科学哲学などメタレベルでの自然科学を対象とした研究から、「クォークからインテリジェントマテリアルまで」という標語のもとに、素粒子・原子核、原子・分子から様々な高次構造体までを対象とする広範かつ最先端の物質科学研究を展開している。もっとも大きな特徴は、それぞれの学問分野で先端的な研究を追求するだけでなく、各研究の密接な連携により分野の壁にとらわれない学際的な研究を推進している点だ。

同日公開された特設サイトでは、「考える人」を囲む形で散りばめられた約500もの科学キーワードにマウスカーソルをあわせると、それに関連する9のキーワードが可視化される。さらにそれをクリックすると、関連するキーワードを包括する研究テーマ、そして研究室情報が表示される。同系の理念に則り、科学キーワードがそれぞれどのような連関関係を持ち、どのようなテーマのもとで、どのような研究室で学ぶことができるのか、視覚に訴えかける直感的な理解を促す仕組みとなっている。
例えば、「多世界解釈」のキーワードにあわせると、量子宇宙論、宇宙波動関数・決定論・確率解釈・実証主義・実在主義・コペンハーゲン解釈・共存度・波動関数という関連ワードがむすびつき、さらにクリックすると研究テーマとして「量子力学の解釈と意味について」という、和田純夫さんの研究室が表示される。「理論生物学」の項目には、適応・発生・生命の起源・進化・時空カオス・複雑系・非線形力学系・カオス・非均衡という関連ワードがむすびつき、「生命とは何か─複雑系の状態論、大自由度力学系」というテーマを研究する、金子邦彦教授の研究室が表示されるという具合だ。
アートとテクノロジーの融合によって「学問の化学反応」のダイナミズムを表現している本プロジェクトは、最先端で科学する学問の門戸をより開こうとする試みとなっている。


THE SCIENCE THINKER
http://the-science-thinker.jp

東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 相関基礎科学系
http://www.dbs.c.u-tokyo.ac.jp/

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