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HIPHOPだから? ロックだから? ミーハーくらいでちょうどいい、というお話

写真は、NITRO MICROPHONE UNDERGROUND復活の狼煙があがった「さんピンCAMP20」のオフィシャル画像

ニトロことNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDと出会ったのは高校二年生の冬。

人生初めての「合同コンパ」というモノに参加したときに出会ったヤンキーの松本くんが教えてくれた。

あの日から僕の日本語ラップ漬け人生が始まった

現在34歳、2児の父

フリースタイルブームですね

僕は今年34歳になる。高卒の僕は18歳まで山口県のど田舎で育ち、大阪で就職し、その後仕事をやめフラフラしたりしつつ、早16年。今では嫁と子供2人の4人家族だ。

今世の中はフリースタイルブーム。第三次日本語ラップブームなんて言われてるらしい。僕も「フリースタイルダンジョン」を毎週観ている。きっと今の男子校では殴り合いの代わりにラップバトルをしてるんだろう。知らんけど。

僕の高校時代はまさに第二次日本語ラップブームだったから、当時の話を振り返る。

男子校に通う、冴えないオタク未満なヤツ

僕は男子校に通っていた。工業高校の機械科。中学時代はサッカー部だったけど、高校は帰宅部。

高校生の時、僕はなぜかとても人見知りというか、斜に構えたヤツだった。表面的には会話をするけど、いつも

「学校辞めたいなぁ。人生って楽しくないなぁ。」

と、童貞のクセに人生についてぶつくさ考えてた。今思えば、思春期特有のナルシズムのようなものだったんだろう。

そんなだから友達も少ないし、かと言ってオタクと言うほど何かに没頭してるわけでもない(もちろんヤンキーですらない)、ルアー作りとバス釣りが好きなただの冴えない田舎者だった。

高校2年のとき、合コンに誘われる!!!

学校ではいつも寝てばかりで、終わるとすぐに帰るか、数少ない友達とマクドナルドにたむろしていた。当時のマクドナルドはハンバーガーが1個80円だか90円だか、とにかく安い時代。

数人でハンバーガーを5個位買い、上のパンをのけてどんどん重ね、巨大なビッグマックみたいなものを作っては、ジャンケンで争奪戦をしていた。(負けたやつは5個分のハンバーガーのパンを食わされる)

そんなことをするか、古着屋をうろつくか、ただただ下ネタエロ話ばっかりしていた高校2年のある時、友達が

今度、小倉で合コンすることになったんやけど、一緒にどう?

合コン、そう、合同コンパのことだ。男女が入り乱れ、あんなことやこんなことをする、あのエロそうなヤツだ。二つ返事で

イクぅ!!!

と答えたのは言うまでもない。

合コンの前に顔合わせ

友達のバイト先の女の子と合コンをするということだった。僕は必死にカッコをつけ集合場所に向かった。すると友達が

「合コン行く前に、バイト先で顔合わせしよう」

といい出した。

合コンって飲食店とかで初対面して

「こんばんわぁ、はじめまして。(あの子かわいいな)」

とか言うんじゃないの? と思ったが、よくわからないからついていった。そしてバイト先で

「どうも、花屋と申します。本日はどうぞ合コンの方、ひとつよろしくお願いします。」

という、ビジネスマンの名刺交換のような場が設けられた。ギャルっぽい子や天然ぽい子の3人組で、みんな可愛かったと記憶している。(思い出補正:強)

颯爽と現れたロン毛のヤンキー松本くん

女子との名刺交換会がおわったあと、もう一人、男が来ることになっていた。そして現れたのは学ラン姿の男。

(パンツが出てるほどの)えげつない腰パン姿気合の入った短ラン肩まで伸びた茶髪のサラサラヘア。クローズの小栗 旬か、スラムダンクの(散髪前の)三井 寿だ。

僕「君の名は…?」

?「松本。」

松本くんは市内でも1・2を争うヤンキー校に通っているそうだ。

僕はオタクでもヤンキーでもない、ただの冴えないヤツ。こんなヤンキー感丸出しの人間と接したことなんて無かったからちょっと怖かった。

隣町までの電車移動でなぜか仲良くなった

女性陣はあとから来るということで、僕ら男だけで先に小倉に向かった。

下関市から小倉までは電車で20分くらい。どういういきさつか忘れたけど、僕は松本くんの真横に座ることに。

僕「今日、寒いね。」

松「おう。そうやな。」

僕(うわぁ、イヤホンしたままやん。愛想ないなぁ。いきなり肩パンとかされたらどうしようかなぁ…)

松「…花屋くんって、音楽とか好きなん?」

僕「うん、Dragon Ashがめっちゃ好きで、他はSNAIL RAMPとか聞くよ。」

松「へえ、じゃあこれ聞いてみて」

そういうと、右耳のイヤホンを外し、音楽を聞かせてくれた。

NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの衝撃<ASAMA 131>

Dragon AshのDEEP IMPACTにかなりの衝撃を受けてミクスチャーロックが好きだった僕。洋楽のHIPHOPも少し聞いてたけど、日本語ラップには疎かった。

そんな僕に聞かせてくれたのがニトロの1stアルバム『NITRO MICROPHONE UNDERGROUND

そしてちょうど流れてたのがASAMA 131という曲。

NITRO MICROPHONE UNDERGROUND - ASAMA 131

まず聞いたこともないような重たいビートにMacka Chinの

意味が解けない 残念 はい、そこまで
ペンを置いて次のテスト待て

という、なんかカッコいいコト言ってるっぽい、聞き取りやすいイカしたラップ。それに続くXBSの低音ボイス。そして極めつけはフックの

発射!発射!どぴゅっと発射!

という、卑猥でしかない部分。ここがあまりに衝撃的で、こんなエロいこと歌にしていいの?!という驚きと、作品としてのかっこよさ、圧巻のマイクリレーに痺れ、さっきまで怖かった松本くんに

僕「え?!これなんなん?めっちゃカッコイイやん!!!!!!」

と、思わず声を上げた。

松「お、わかる?!これニトロっていうんやけど、毎日聞いてるわ。めっちゃいいやろ。」

僕「このサビみたいなとこめっちゃおもろいやん!笑」

僕&松「発射!発射!どぴゅっと発射!!!」

と、電車内でひとつのイヤホンを分け分けしながら大騒ぎしていた。アホである。

カラオケコンパは惨敗したけど、松本くんとニトロに出会えたからOK

カラオケボックスでのコンパは、なんだかんだ浜崎あゆみとかを聞かされるだけの、ギャルギャルしい回だった。

ただ、オールナイトで遊んでたから午前3時頃にはみんな力尽きつつあった。

そこで僕と松本くんは2人でキンキキッズを歌い始めた。

僕&松「恋は〜〜〜〜ジェッコーォスタ〜」

と歌いながらはしゃぎ、気がつくとみんな座ったまま寝てた。

夜が明け白む街を歩きながら、一応メールアドレスをみんな交換したけど、結局なんの進展もないまま終わった。

当時はなんだかモヤモヤしたけど、今となっては松本くんとニトロに会えただけで十分だった。(その後ニトロのアルバムはもちろんゲット)

ちなみに、僕と松本くんはこの後、結局会うことはなかった。まさに一期一会であり、あの日は僕にとっての正式な日本語ラップの元旦。(まぁ、正確な日時は覚えてないけど…)

若者の人生に音楽は重要だ

長くなったが、急にこんなことを書きたくなったのは、とある映画をみたから。

≫全音楽好きが泣く映画…タワーレコードの誕生から倒産までを描いた『オール・シングス・マスト・パス』

自ブログの紹介で恐縮だが、先日タワーレコードのドキュメンタリーを見た。もうこれ観てたら涙が出てきてしまった。オッサンになったのかな。いや、34歳でオッサンなんて言いたくない!

その映画の中でタワレコ創設者のラスが

94d691fd8349aa1e256b600a5bb95bf0.jpg「若者の人生に音楽は重要だった。我々がそれ(音楽)を提供した」

と、仕事に対する熱意を感じる言葉を語る。まさにNO MUSIC, NO LIFE.

音楽を聞かない人を否定する気はサラサラないけど、僕は音楽に出会い、感じたことで様々な影響を受けてきた。いつもそばに音楽があったし、これからもあるだろうと思う。

19歳のとき、初恋の人に正式に告白し、正式に振られたとき、夜中にDragon Ashの『百合の咲く場所で』を聴いて、ボロアパートで泣いた。そして餓鬼レンジャーの『UPPER JAM』を聴いて力をもらい立ち直った。最近だとZORNのラップで目頭が熱くなった。

ZORN / My life (Prod. by DJ OKAWARI)

ZORN / Letter

うんちくやカテゴライズなんか気にせず、好きなものを好きと誇ればいい

フリースタイルダンジョンでHIPHOPに注目が集まる今、是非過去〜現在含め、いろんな音源に触れてほしいなと思う。

即興とは違う、レコーディングされたリリックも心を打つものや、クスッと笑わせてくれるものなど魅力がたくさんある。

僕はDragon Ashに最も衝撃を受けいまだに好きだからか、HIPHOPだから、とかロックだから、とかそういうボーダーラインを引いてない。

色々聴いて、うんちくなんか抜きにカッコいいと思えるものを誇ればいい。ミーハーくらいでちょうどいい。

おしまい。

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NITRO MICROPHONE UNDERGROUND[Def Jam edition]

著者 : NITRO MICROPHONE UNDERGROUND
発売 : 2000年12月27日
価格 : 3,146円(税込み)
販売元 : ユニバーサル インターナショナル

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