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全編iPhone撮影映画の見所とは? L.A.ストリートを描くガールズムービー

画像は『タンジェリン』公式サイトのスクリーンショット

アメリカ映画『タンジェリン』が2017年1月下旬、東京のシアター・イメージフォーラムと、2月、大阪のシネマート心斎橋で劇場公開される。

『タンジェリン』の舞台は犯罪都市・ロサンゼルス。そこで暮らすトランスジェンダーの女性2人の日常を追いながら、彼女たちの友情を描く。

重いテーマでありながら、本作には下ネタとユーモアがたっぷり。ロサンゼルスのストリートを逞しく駆け抜ける、エネルギッシュなコメディに仕上がっている。

世界中の映画祭で上映され、人気を集めていた本作だが、撮影方法も大きな話題となった。

なんと全編がiPhone5sで撮影されているのだ。一体なぜ?

なぜ全編にiPhoneを使ったの?



iPhoneが映画撮影に使用されたケースは初めてではない。2016年に日本で大ヒットした『シン・ゴジラ』でも、撮影の一部にiPhoneが使用された。

iPhoneの画質はプロの監督も認めるところで、小回りを効かせた撮影が可能といった強みがある。『シン・ゴジラ』では“避難する一般人がスマホで撮影した”映像の撮影にもiPhoneを用いるなど、非常事態を演出することも目的としていた。

しかし『タンジェリン』は一部ではなく全編がiPhone撮影。iPhoneのメリットを活かして…というより、既存の映画作りへの挑戦にも見える。

“これからの映画づくりに特別なカメラはいらない”のような主張があったのだろうか?と思いきや、単純にお金の事情だったらしい。

(監督)もしお金があったら35ミリのフィルムで撮ったよ。(Japan In-depth「【全編iPhoneで撮影された映画が凄すぎる】~トランスジェンダー2人が主人公 “Tangerine” ~」)

iPhone効果? 素顔の撮影に成功!

苦肉の策の“全編iPhone撮影”だったが、予想外のいい効果があった。

『タンジェリン』の大きな魅力は臨場感だ。舞台となるストリートの綿密なリサーチはもとより、主演2人によるところが大きいだろう。

実は主演2人は、本作が映画初出演。監督が本作のための取材中にストリートで出会い、スカウトしたのである。映画で描かれる厳しい現実は彼女たちの、文字通りリアルな日常なのだ。

プロの役者じゃないからこその魅力を損なわないことに、iPhoneでの撮影は功を奏した。

(iPhoneには)カメラとしての威圧感がなく、演技経験の少ないキャストに対して良い効果があった(CINEMALife!「全編iPhoneで撮影の『タンジェリン』ショーン・ベイカー監督がアップル銀座イベントに登壇」)

iPhoneを使用したことで結果的に、カメラ慣れしていない2人を萎縮させずにすみ、その自然な表情を捉えることに成功したのだ。結果オーライである。


高評価は“全編iPhone撮影”と無関係

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劇中のワンカット/画像は『タンジェリン』公式サイトより

先述したJapan In-depthの記事では、当初監督はiPhoneで撮影したことを公表したくなかったことも伝えている。


また東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの矢田部吉彦氏は、裏事情を知らずに本作を観たという。

(矢田部氏)何を使って撮っているかは知らずに見て、(同映画祭で)上映を決めてからiPhoneで撮ったのを知った(CINEMALife!「全編iPhoneで撮影の『タンジェリン』ショーン・ベイカー監督がアップル銀座イベントに登壇」)

iPhone撮影といっても映画用の特殊なレンズを使用し、さらに専門的な技術で色彩や音の編集作業を行っている。そのため、iPhoneで撮影したとは感じさせないクオリティに仕上がっているのだという。

“全編iPhone撮影”は注目されるポイントだが、作品の高評価とは無関係。『タンジェリン』の魅力は、ぜひ劇場で確かめてみよう。

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