Column

  • 2022.04.15

アイドルのライブ現場では何が起きていたのか? インディーズに見る可能性

2016年時点のライブアイドルシーンで何が起こっているのかを、ライター・宗像明将が解き明かしていく。

※本稿は、2016年に、当時運営されていた動画メディア「lute」と連動で「KAI-YOU.net」に掲載された記事を再構成したもの

アイドルのライブ現場では何が起きていたのか? インディーズに見る可能性

クリエイター

この記事の制作者たち

正直に言ってしまおう、私は(本稿執筆の2016年時点で)いまだに「BiS」という呪縛から逃れられずにいる。

2014年7月8日の解散後も、元メンバーの活動を見続けているし、さらにはBiSのマネージャーであった渡辺淳之介についての書籍『渡辺淳之介 アイドルをクリエイトする』まで執筆してしまった。

しかし、そんな状況にいるのは私だけだろうか? 文化とは形を変えて連綿と継承されていくものだ。

目次

  1. アイドルブームのスピードを実感
  2. 相次ぐライブアイドルたちのメジャーデビュー
  3. ディアステージ発のアイドルがもたらした新たな文化圏
  4. ついに転換期を迎えたアイドルシーン
  5. ライブアイドルが担っている音楽的な面白さ

アイドルブームのスピードを実感

lute meets idol Episode 3(前編)

luteで公開された動画では、5組のアイドルプロデューサーたちが登場し、座談会を行っている。

参加しているのは、ヒップホップアイドルユニット・lyrical schoolキムヤスヒロ、ニューウェーブアイドルグループ・ゆるめるモ!と、同プロデュースチームによって発足したグループ・レッツポコポコ(2018年に解散)の田家大知

さらに、暗黒系アイドルユニット・NECRONOMIDOLリッキー(彼はアメリカ出身だ)、激しいパフォーマンスと「ベルハー」の愛称で知られるBELLRING少女ハート田中紘治(彼は自身を『ディレクター』と定義する)。そしてセルフプロデュースのアイドル・生ハムと焼うどん(2017年から活動休止)の西井万理那東理紗だ。

座談会の間中、生ハムと焼うどんの2人が常に前のめりであることにも注目したい。これでは大人が気圧されても仕方ない。

この座談会で面白いのは、田家大知と西井万理那と東理紗がももいろクローバーZが好きだと話していると、リッキーがももいろクローバーZのマレーシア公演に仕事で関わっていたと話しだす部分だ。

映像では語られていないが、もともと映像作家である田中紘治は、「ももいろクローバー」時代に番組制作の仕事をしていたことも忘れてはならない。

どれも動画公開から5年以内の話であり、ももいろクローバーZと仕事をしたり、ファンだった人々がすでにアイドルのプロデューサーになっているわけだ。このスピード感はアイドルブームの産物だろう。

生ハムと焼うどんが、当時セルフ・プロデュースの高校生だったにも関わらず、2016年3月2日に赤坂BLITZでのワンマンライブを成功させたことは以前にも触れた。

lyrical schoolは2015年7月25日に、そしてゆるめるモ!は2015年12月20日に、それぞれZepp DiverCity TOKYOでワンマンライブを開催している。

さらに、BELLRING少女ハートは、2016年4月30日にTOKYO DOME CITY HALLでワンマンライブを開催した。

キャパシティの大きなライブハウスで、アイドルたちのワンマンライブが続いている。

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