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プロ棋士 橋本崇載のゲンエキインタビュー「スーファミが家にあったら将棋はやってなかった」

プロ将棋棋士の「ハッシー」こと橋本崇載さん

様々なことに全力で挑戦する人たちを応援するため、「初恋の味」のキャッチフレーズや「甘ずっぱい青春」をテーマに、コミュニケーションを展開している「カルピス」ブランドが始めた企画「ゲンエキインタビュー」。

そのゲンエキインタビューも第8回を終え、これまでアーティストや声優、プロスポーツ選手など、さまざまなお仕事で活躍している方にお話をうかがってきました。

今回は、プロ将棋棋士の「ハッシー」こと橋本崇載さんにインタビューを行いました。

橋本さんは、八段としての実力はもちろん、個性的な言動や格好からインターネット上のみならずテレビなどでもさまざまな話題を振りまき、また現在は『週刊少年ジャンプ』で連載中の「ものの歩」や『ヒバナ』で連載中の「或るアホウの一生」といった漫画の監修なども手がけています。

プロの将棋棋士がどのような考えで日々を過ごし、どういった人生を歩み、活躍されているのかを聞いていきます。

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取材・文:宮崎祐貴・長谷憲 構成:織田上総介 撮影:山本哲也

ハッシーでお馴染みの橋本崇載さんの今

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━━将棋という領域で活躍している橋本さんですが、改めて普段のお仕事、生活について教えてください。

橋本崇載(以下、橋本) 将棋のプロ棋士をメインにやっています。他には将棋バーという、将棋を指しながらお酒を楽しむお店も経営しています。

━━将棋のプロ棋士というと、普段どういったスケジュールで1日を過ごしているのでしょうか?

橋本 どれくらい対局があるかは人によりますが、勝てば忙しくなるし、負ければ対局数は減っていく。私の場合は週1日くらいの対局があります。

━━週1日の対局以外の日は休みなのでしょうか?

橋本 そうですね……正直、休みだらけです(笑)。もちろん、プロでやっている以上、対局相手の研究など、休みの日でもしっかり将棋のことを考えていますね。

個人差はありますが、プロの棋士同士で集まり、勉強会のようなものをやっている方も結構います。

━━そもそもなぜ将棋に興味を持ったのでしょうか?

橋本 父親が将棋をすごく好きで、その影響で小学校3年生の時に将棋と出会いました。最初は面白くなかったんですけど、始めて数ヶ月くらいである程度勝てるようになって、楽しいと思うようになりました。

将棋がスーファミ以下から、スーファミ以上の存在に

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━━橋本さんの幼少期、当時は既にゲームなどのエンタメがあったと思いますが、それよりも将棋の方が面白かったのでしょうか?

橋本 僕の家庭はなかなかスーファミ(※正式名:スーパーファミコン)を買ってもらえなかったので、友達の家でやるしかなくて……。スーファミが家にあったらたぶん将棋をやっていなかったです(笑)

━━そうだったんですね(笑)。

橋本 小学生にとっては将棋よりもスーファミのほうが面白いですよね。当時の自分の中での順位を付けると、まずはスーファミ、次に将棋、それから勉強、最後に運動という順番でしたね。

運動の中でも野球やサッカーは好きだったんですが、いかんせん運動音痴で……。というのも、すごく頭がデカい子供だったんですよ、自分。今と同じぐらいの大きさで、重くて走れないんですよね(笑)。

勉強自体はそこそこできたのですが、如何せん面倒くさい。スーファミも持っていなかったので、残るは将棋……という感じで過ごしていました。

━━なるほど。若い頃から将棋をして、多少なりとも将棋の楽しさを覚えていく中で、「自分はもしかして周りの人より強いんじゃないか?」という瞬間はあったのでしょうか?

橋本 それはないですね。というのも、ほとんど大人とやっていたので。

━━道場みたいなところに通っていたのですか?

橋本 そうですね。そこにはアマチュア四段とかいるわけです。だから「ここには俺の相手がいない」みたいなことはなかったですね。

━━大人に混じって将棋を指すうちに、プロを志すようになったのでしょうか?

橋本 それがですね……あまりプロになりたいという思いはなかったんです。小学校5年生でもうアマチュア四、五段くらいはあったので、周りの人もプロ入りを勧めてきたのですが、僕の気持ちとしては「とにかく勉強しないで済むんだったら……」という感じでした。

━━とはいえ、上のレベルにいくには勝たないといけないと思うのですが、勝ち負けに対しては意識していたのでしょうか?

橋本 やっぱり子供だったので、負けたら相当悔しいですよね。何でもない対局でも負けるとわんわん泣いていることが結構ありました。

でも、負けても何とも思わないのはそもそも将棋に対する「」がないので、プロになるような人ではないのかなと思います。僕はやっぱり将棋が好きだから、負けると悔しい。少なくとも道場に通い出し、しばらく経ってからは、僕の中では将棋はスーファミ以上の存在になっていました。

少しの「報われる努力」が実るくらいの努力はせよ

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━━プロになって今15年目を向かえると思うのですが、きつかった体験や壁にぶち当たった経験はありますか?

橋本 壁だらけ。というか前に進めない。自分が腕を上げているなぁと思ったら、周囲の人はその倍くらい強くなっているように感じたりします。やはり競争の世界だということを痛感します。

━━常に相手より伸びないといけない状況なのですね。

橋本 そうです。ただ、それがしんどいんです。基本的には勉強がしんどくて、プロ棋士の世界に入ったので(笑)。

━━勉強がしんどくて将棋を続けたのに、なぜ自分はしんどい将棋を続けているのか、という葛藤ですか?

橋本 そうそう。ほとんどの努力は無駄になると思うこともあるのですが、自分の中で一生懸命やったつもりでも、努力が無駄になるとわかれば、最初から何もしなくてもいいよなと思ったりしますよね。

要するに、自分の限界がどこまでかわかっていれば、努力するかしないかを決められるのですが、そこは誰もわからないと思います。

わからない中で、努力するか否かを決める。やるもやらぬも自由、成績が上がるかもしれないし、落ちようと思えばいくらでも落ちることができる。

ただ、飽きっぽい性格なので、淡々と同じ仕事を毎日こなしているという仕事ではないのは良かったと思いますけどね。

━━ほとんどの努力は無駄になるということで、裏を返すとほんの少しの努力は報われると。

橋本 そうなんですよ。だからほんの少しの報われる努力が実るくらいの努力をしないといけないということですよね、きっと。

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