観客を引き込み、寄り添う、圧巻のライブステージ
番組後半は待望のライブパート。ステージの転換中、集まったファンからは期待感や緊張感が感じられ、会場の雰囲気は高揚感で溢れていく。徐々にBGMが小さくなり、会場が一瞬静まり返る。その直後、力強いギターリフでライブスタート。1曲目を飾ったのは「光と闇」。頭を揺らしながらギターをかき鳴らし、ときに叫ぶように歌う姿に、会場は一気に引き込まれていく。
「“女子が集えば世界が変わる!?”ということですが、何か少しでも変えられたらいいなと思います!」――そんなシブカル祭。のテーマにちなんだメッセージに続いて披露されたのは「蜂と見世物(サーカス)」。
歌詞の世界観も相まって一層凄みが増すパフォーマンスからか、早くも目に涙を浮かべているファンの姿が見られた。
全力全開の演奏に呼応するように、会場のボルテージは曲を追うごとに上昇。“こびりついてるオーロラソース 見て見ぬふりを続けた罰だ”と歌う「オーロラソース」は、心に突き刺さるようなメッセージの一方で、会場からはメロディに合わせたクラップが巻き起こり、演者とオーディエンスの一体感を感じさせた。
意外なサプライズから一転、目と耳で堪能する「ミカヅキ」
酸欠少女 さユり デビューシングル 『ミカヅキ』“ノイタミナ”アニメ「乱歩奇譚 Game of Laplace」ED
誰もが一度は経験した、もしくは今経験している息苦しさを共鳴するように歌い上げるさユりさん。路上ライブで培われた表現力の高さに忘れそうになるが、彼女はまだ19歳だ。そんな彼女が「オーロラソース」に続いて披露したのは、メジャーデビューシングル「ミカヅキ」。「今は未完成でも、いつかは満月のようになりたくて、自分を信じたくてつくった」という曲は、テレビアニメ『乱歩奇譚 Game of Laplace』のエンディング・テーマとして、放送当初から本編とのシンクロ率の高さが話題になり、さユりさんの存在を広く世間に知らしめた楽曲だ。
歌詞が浮かび上がるなど、まさに2.5次元な映像演出が施されたステージは、会場の意識を、歌の世界へ強く誘っていく。“それでも”のフレーズから始まるサビのリフレインは、回を重ねるごとに聴く人の奥深くへと踏み込んでいくような不思議な魅力がある。ファンも目と耳と心で聴き入っていたのが印象的だった。
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