気鋭の美術家・山城大督3年ぶりの個展開催 蓮沼執太らも参加

気鋭の美術家・山城大督3年ぶりの個展開催 蓮沼執太らも参加
気鋭の美術家・山城大督3年ぶりの個展開催 蓮沼執太らも参加
2013年12月19日(木)〜12月23日(月・祝)にかけて、 東京都墨田区吾妻橋のアサヒ・アートスクエアにて、美術家/映像ディレクターとして活動する山城大督さんの、個展『VIDERE DECK/イデア・デッキ』が開催される。

美術家/映像ディレクター・山城大督とは?

1983年生まれ、幼少期から映画やビデオカメラに親しんだ経験をもとに、映像の力をつかった作品を手がける、いま注目の若手美術家だ。Perfumeなどのクリエイティブを手がける真鍋大度さんの出身校としても知られる、日本のメディアアーティストのメッカ・情報科学芸術大学院大学/岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)在籍中から、映像を利用した様々な作品を手がけてきた。作品制作のほかにも、ミュージシャン・蓮沼執太さんの「Hello Everything」のMVを手がけるなど、映像ディレクターとしても活動している。
蓮沼執太 Shuta Hasunuma / Hello Everything(2012)
また個人活動のほかに、アーティストユニット「ナデガタ・インスタント・パーティー」のメンバーとして、その展示会場のある土地の人々を巻き込み、インスタレーションや映像、演劇など様々なジャンルの表現を利用しながら展開し、そこで起こったできごとそのものを作品化する試みも積極的に行っている。

山城作品の魅力

映像をつかって作品制作を行うことについて「ある時間と時間、ある場所と場所を結びつける映像の力に魅了されている」と語る山城さん。そんな彼の過去作をまず紹介したい。
《吉島・ピアノ・レッスン・コンサート》/山城大督
《Time flows to everyone at the same time.》と名付けられたこの作品は、ある住宅街を舞台に50人の少年少女が同時間帯に自宅のピアノを演奏するツアー型コンサート。鑑賞者は地図をたよりに演奏中の各所をまわることで、場所は異なりながら、ピアノを使った音と時間とのシンクロを体験することができるのだ。
《Time flow in the stereo river.》/山城大督
隅田川をクルージングするカメラの主観映像を通して、一つの旅のような体験を観客に与えるのが《Time flow in the stereo river.》。隅田川の川面を1つのタイムラインに見立て、そこいる様々な人々、移り変わる風景といった多様な要素、場所がからみあっていく様に、まるで1本の映画を観ているような感覚をおぼえてしまう。
《TOKYO TELEPATHY》(Director's cut)/山城大督
《TOKYO TELEPATHY》は、偶然並走する電車の乗客を捉えた映像作品。交錯する車両をスローモーションで撮影したこの作品は、シンプルながら、山城さんが魅了されている、映像が持つ「ある時間と時間、ある場所と場所を結びつける」力をコンセプチュアルに抽出した作品となっている。

『VIDERE DECK/イデア・デッキ』のみどころ

本展開催の母体となったプロジェクト『東京映像芸術実験室』の様子

そんな山城さんの、3年ぶりの個展となるこの展示。高さ6メートル、総面積約260㎡のアサヒ・アートスクエアの空間を舞台に、マルチ・チャンネルのビデオ・インスタレーション《The Mirror Stage》を主とした新作が展開されるようだ。

1年間に渡って映像表現を再考する『東京映像芸術実験室』というプロジェクトの中から誕生した本作は、ジャック・ラカンの「鏡像段階論」を引用したビデオ・インスタレーションで、作曲家の安野太郎さん、ミュージシャンの蓮沼執太さんとのコラボレーションも行っている。

会期中は連日、若手アーティストやキュレーター、研究者を招いた映像表現に関するトークイベントも行われるとのこと。映像表現の持つプリミティブな力を現代に表出させたこの展示、ぜひ足を運んでみたい。

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