日本国内でのインターネット黎明期である1990年代より、おもにインターネットを題材とした作品を発表し続け、メディアアートの枠組みを拡大してきた
千房けん輔さんと
赤岩やえさんからなるアートユニット・
エキソニモ。そんなエキソニモが、
九州では初となる個展「猿へ」を、
2013年11月2日(土)より福岡県福岡市の三菱地所アルティアムにて開催する。
エキソニモってどんなユニット?
エキソニモの、技術的発展によって常にその形を変えてきたインターネットを題材にとりあつかった作品群は、国内はもちろん海外での評価も高い。2006年に、オーストラリアはリンツで開かれている世界最大のメディアアートの祭典「
アルスエレクトロニカ」にて「
The Road Movie」が
大賞にあたるゴールデン・ニカを受賞。2010年、
東京TDC賞では「
ANTIBOT T-SHIRTS」がRGB賞を受賞している。
「The Road Movie」は日本各地を走るバスにWebカムを取り付け、5分ごとに撮影された風景写真を利用したバスのペーパークラフトの型紙をWeb上に展開するサービス。現実に走っているバスから見た風景を、家のプリンターで出力しバスの形に組み立てられる。
「ANTIBOT T-SHIRTS」は、Webの認証システム「CAPTCHA」を利用して、ユーザーが入力した文字から生成されたイメージをプリントしたTシャツを生成/購入できるサービス。
個展「猿へ」気になるその内容
気になる展示の内容だが、エキソニモの活動初期から現在までの代表作を中心としながら、それらを再構成することで、新たな視点から各作品の魅力を捉えなおすことのできるもので、
ある種の回顧展とも言える構成となっている。テクノロジーの発展に沿って、独自の解釈でメディア環境を批評的に捉えてきたエキソニモの全貌をぜひ体感されたい。
会期初日の2013年11月2日(土)にはオープニングレセプションが開催され、エキソニモのお二人も登場。
11月16日(土)には
エキソニモ、連続起業家の
家入一真さん、山口情報芸術センター(YCAM)の
渡邉朋也さん、電通九州に所属し、元『Web Designing』編集者である
毛利慶吾さんによるトークセッションも予定されている。
1986年、名古屋市生まれ。法政大学文学部日本文学科在籍中に、世界と遊ぶ文芸誌『界遊』を創刊。編集者/ライターとして活動を始める。2011年、メディアプロダクション・KAI-YOU,LLC. を設立。「すべてのメディアをコミュニケーション+コンテンツの場に編集・構築する」をモット−に、カルチャーや広告の領域を中心に、文芸、Web、メディア、映画、アニメ、アイドル、テクノロジーなどジャンルを横断したプロジェクトを手がける。NHK「ニッポンのジレンマ」に出演ほか、講演、イベント出演も多数。現在はフリーランスとして活動中。右投右打。
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