Twitterで拡散中のウソ(?)画像から、エイプリルフールの起源を学ぶ

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Twitterで拡散中のウソ(?)画像から、エイプリルフールの起源を学ぶ
Twitterで拡散中のウソ(?)画像から、エイプリルフールの起源を学ぶ
本日4月1日(月)は、エイプリルフールだ。一般的に「ウソをついても許される日」だとされている。

日付かわって4月1日になった直後から、Twitterで出回っている画像がある。

〝エイプリルフールとは、毎年4月1日に嘘をつくと死刑または無期に罰せられる特別法のことである。〟

上記の画像を拡散した人の多くは、見えすいたエイプリルフールネタだとフォロワーに指摘されているが、これはWikipediaを模したエイプリルフール用のみえすいたウソ画像、ではない。3月31日に、実際のWikipedia上の「エイプリルフール」の項目が書き換えられ、30分後に該当の記述が削除されてしまった、というのが事実だ。

Wikipediaの編集履歴

しかし、元画像の方がつくりものなのか、Wikipediaにウソの記述がされたのか、その検証は重要ではない。いずれの場合にしろ、上記の記述は、あながち完全なウソというわけではなく、実はエイプリルフールの起源についてのある仮説に基づいているのだ。

エイプリルフールの起源は諸説あるとされている。フランス語でエイプリルフールは「プワソン・ダヴリル」(Poisson d'avril, 四月の魚)と言われるが、フランスでは4月は大漁とされていて、その祝いのためにウソをつくという説がある。また、古代ローマでの道化師が聖職者になるあべこべの祭りから「ウソをついてもさかさま」となる日、ノアが陸を探すために方舟から放ったハトが収穫なしに戻ってきた無為な日、キリストがユダに裏切られた日、インドの修行僧が修行を終えて俗世に戻ってきてせっかくひらいた悟りが無駄になってしまうことをからかった日という説まで存在する。

その中の一つに、よく知られている仮説がある。それは、現行のWikipediaにも記述があるが、フランスのシャルル9世の横暴に逆らってウソの新年をバカ騒ぎで迎えることになったというものだ。

ヨーロッパでは3月25日を新年とし、4月1日まで春の祭りを開催していたが、1564年にフランスのシャルル9世が1月1日を新年とする暦を採用した。これに反発した人々が、4月1日を「嘘の新年」とし、バカ騒ぎをはじめたのをエイプリルフールの起源とする説がある。さらにこの仮説にはいくつかのバージョンが存在し、バカ騒ぎに業を煮やした国王によって処刑された人々への追悼と国王の横暴への抗議の意を込めて、いよいよ本格的に4月1日を「ウソの新年を祝福する日」という慣習ができたという説もある。

これはあくまでも仮説ながら、Twitterで出回っている「ウソをつくと罰せられる」という記述は、この逸話にのっとっているという意味では、純然たるウソとは言えないということだ。シャルル9世とエイプリルフールとの関連性は歴史的に根拠を欠いているため信憑性があるとは言えないが、とは言え〝真っ赤なウソ〟と言うと嘘になる、ということだ。

ちなみに「きげん」違いながら、エイプリルフールに関して、ウソが許されるのは4月1日の正午までという期限があるとも言われている。

ウソをウソだと見抜けないような人は最近では減ってきているとは言え、くれぐれも人を傷付けるようなウソは慎んで、楽しくエイプリルフールを満喫したいものだ。

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